熱海の土石流 現地を見た地質学の専門家が指摘する危険性とは(静岡県)
2021/07/03
7月3日午前、熱海市で大規模な土石流が発生しました。警察によりますと、近くの海で2人が心肺停止の状態で発見され、現在も20人近くの安否がわかっていません。
<土石流発生の瞬間>
<神谷修二カメラマン>「土石流が起きた現場です。道路に家が流されて倒れています」
街中の住宅を飲み込む土石流の瞬間をとらえた映像です。3日午前10時半ごろ、熱海市伊豆山地区で土石流が発生しました。
<増田剛記者>「あちらに男性が一人取り残されているようです。警察が男性と連絡をとり、安否を確認しています」
警察によりますと、少なくとも民家など10棟が流され、約20人の安否が不明とのことです。
<周辺の人>「ダーとかゴーとか、今まで聞いたことのないような音がした。怖いというより、気づいたときには家はもうなかった」
<住宅を流された男性>「悔しいという一言、長い間住んでたから。だけど現実を受け止めるしかない。これからどうするか」
下田海上保安部などよりますと、近くの海で2人を発見し、心肺停止の状態ということです。川勝知事の要請を受けて陸上自衛隊板妻駐屯地の隊員30人が派遣され、現場に入りました。
土石流が発生した現場はJR熱海駅から約1.5km離れた住宅地です。熱海市網代では72時間降水量が7月の観測史上最大で、土砂災害の危険度が極めて高い状況でした。大雨の警戒レベル5にあたる「緊急安全確保」が発表されています。自らの命を守る最善の行動をとるよう呼び掛けています。現地に入った専門家は同じ場所で再び土石流が起きる危険性を指摘します。
<静岡大学(地質学)北村晃寿教授>「急こう配の谷地形を作っていて、火山性の岩石が崩れたものがたまっている。ここ数日の雨で水分が入って不安定になって土石流が発生した。危険な状態が続いていると言っていい」
川勝知事は夕方会見を開き、身の安全を守るよう呼びかけました。
<川勝知事>「(熱海市)伊豆山だけでなくて、同様の地形のところはたくさんあるので、同じようなことが起こっても不思議ではない。そういう河川の近くにいる人は用心をして、避難所などに避難することが大切」
県は災害対策本部を設置し、人命救助を急いでいます。