40年間で30人の里子を育てた夫婦 そのまなざし

2020/10/13

10月は「里親月間」です。何らかの事情で生みの親の元で生活することが難しい子どもを一時的に、また長期的に育てる制度が「里親制度」です。現在、里親を必要とする子どもがいる一方で、里親が増えない現状があります。

 静岡市で里親をしている松浦さん夫婦です。2人は40年前に静岡市で初めての里親となりました。松浦さんには最近うれしいことがありました。今育てている高校3年生の健司(仮名)さんからのサプライズプレゼントです。
<松浦雅江さん>「給付金を10万円いただきましたね。貯金しておくよ、と言ったのですが(ガスレンジを)買わしてもらいたいと。買ってくれたの。本当にうれしかったですね」
 現在、松浦さんは4人の里子を育てています。みんなで揃って夕食を食べ、1日に起きたことを話すのが日課です。これまでに育てた里子は30人。この日は、かつて暮らしていた藤枝篤史さんが遊びに来ていました。中学3年生の1月から3年間、里子として松浦家で生活をしていました。
<藤枝篤史さん>「だいぶ反発していた3年間だったのかな。部活のこと、進路のこと、相当迷惑をかけたのかな。じいじ、ばあばにお世話になって今もこうやって帰らせてもらってありがたくて。実家と友達、仕事場にも、話す人話す人に本当の自分の家だと言っています」
 生みの親の元で暮らすことのできない子どもが現在日本には約4万5千人います。こうした子どもたちを引き取って育てる制度には養子縁組や里親があります。養子縁組は法律上の親子となり、育ての親が親権を持ちます。一方、里親制度は生みの親が親権をもったまま、環境が整うまで里親が一時的に預かって育てます。静岡市の里親家庭支援センターです。里親や里親をやってみたいという人の研修、相談の窓口です。
<静岡市里親家庭支援センター 清水道広さん>「(静岡市でいま里親はどれくらいいるのですか?)静岡市では95世帯の里親家庭があります。(里子は?)施設も含めて124人のお子さんたちがいます」
 里親が子どもたちより少ない現状では、子どもたちのそれぞれ違う事情に十分に対応できません。
<静岡市里親家庭支援センター 清水道広さん>「厚生省から言われているのは、倍ぐらいの里親さんが必要だねって。少なくても250世帯は静岡市にほしい」
 理解がなかなか広がらず、里親の数は足りていません。静岡市では、子どもが住み慣れた街を離れなくてもいいように、1学区に1里親を置くことを目指しています。里親への理解を広めるカフェを開いたり、学区にポスターを貼ったりして啓発活動を行う予定です。
<静岡市里親家庭支援センター 清水道広さん>「学校教育も大事だけど、その下にある家庭教育とか生活の基盤というものをしっかり助けたい。子どものための制度で、子どもの笑顔を数多く見たいなという方は力を貸してください」
 松浦さんは40年間、里親を続ける中で、里子が家庭を知り、家族と触れ合うことが大事だと強調します。
<松浦富幸さん>「自分が生んだ子どもたちが家族ではなく、どの子もみんなここに来た子は家族だと」
<松浦雅江さん>「みんなとにかく幸せになってもらいたい、その一途ですね」
<松浦富幸さん>「家族っていいものだよね、家庭っていいものだよね、こういうものをわずかでも感じてもらえれば」
 子どもたち1人1人の事情に寄り添い、目線を合わせて育てる里親制度。一人でも多くの人のやさしさが、今、求められています。
#オレンジ6 10月12日放送

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