J1清水、下部組織強化へ指針 アカデミーヘッドオブコーチング森岡氏「潜在力さらに発揮」

 J1清水エスパルスが、下部組織全体の育成指針となる「アカデミーフィロソフィー」を新たに構築した。下部組織の指導者育成に携わる「アカデミーヘッドオブコーチング」を務める元日本代表DF森岡隆三氏(45)が中心となり作成。目指すプレースタイルを明確にした上で、選手に求める要素などスタッフが共通認識として持つ指導の観点を定め、育成年代の強化を進めていく。

構築したアカデミーフィロソフィーに基づき、育成年代の強化に努めている森岡隆三氏=静岡市清水区の鈴与三保グラウンド
構築したアカデミーフィロソフィーに基づき、育成年代の強化に努めている森岡隆三氏=静岡市清水区の鈴与三保グラウンド

 指針では、清水の特色として積極的かつ知性的にプレーし、攻守両面で仕掛けていくスタイルを打ち出した。攻撃は「意図的に優位性をつくり積極的なアクションでゴールを目指す」、守備は「個と組織で意図的かつ果敢にボールを奪いにいく」という原則も設定。体現するために必要なあらゆるプレーを一つ一つ細かく言語化した。ポジション別や小・中・高の世代別に求める攻守両面の要素などもまとめた。
 構築のきっかけは、Jリーグが世界クラスの選手輩出に向けた施策として昨年から始めた「ヘッドオブコーチング」の養成プログラム。下部組織の担当として昨年13年ぶりに古巣に復帰した森岡氏は、1期生として受講。アカデミー発展に向けたさまざまな手法を学んだ。その実践の一つとして指針づくりに着手。クラブOBでもある下部組織のスタッフやトップチームの関係者と意見交換を重ね、つくり上げた。
 具体的な目標として、トップチームに毎年選手を送り出し、下部組織出身者の構成比を5割まで引き上げるとの将来像を掲げた。指針に基づく選手への指導はすでに実施し、個別の育成計画の作成なども導入している。森岡氏は「アカデミーの潜在力をさらに発揮し、トップチームや地域に貢献できる人材を育てたい」と話す。

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