凧揚げのみ開催調整 浜松まつり、感染防止を考慮【新型コロナ】

 5月に開かれる県内最大級の集客行事「浜松まつり」について、浜松市や浜松商工会議所、参加町などでつくる組織委員会が今年は夜の御殿屋台引き回しを取りやめ、昼の凧(たこ)揚げだけを5日間程度に分散開催する方向で調整していることが21日、関係者への取材で分かった。昨年は全面的に中止したが、今年は新型コロナウイルスの感染防止を最大限に考慮しながら、実施を目指す。

一斉に空に舞い上がる参加各町自慢の大だこ=2019年5月3日、浜松市南区のたこ揚げ会場
一斉に空に舞い上がる参加各町自慢の大だこ=2019年5月3日、浜松市南区のたこ揚げ会場

 ▶感染者数市町別内訳・マップ
 組織委員長の鈴木康友市長ら役員が22日に市内で会合を開き、開催案について意見交換し、正式に決定する。
 関係者によると、組織委内では、繁華街での屋台の引き回しは各町の参加者や見物客が集結するため、密集を避けられないとの意見が多数を占めている。屋台上では子どもが笛や太鼓でお囃子(はやし)を奏でるが、祭りの2~3カ月前から各町で始まる練習段階から、「3密になってしまう」と懸念する声もあるという。
 一方、凧揚げ会場での感染防止策として、水分補給を除く飲食禁止やマスクもしくはフェースシールド着用の徹底を求める。密集を避ける目的で、例年は5月3~5日の開催期間を1~5日に拡大し、各町の凧揚げを分散実施したり、飛沫(ひまつ)を防ぐために凧揚げを盛り上げるラッパの使用を禁止したりする案などが22日の会合で示される見通し。
 今年の祭りの開催を巡っては、祭り本番までの新型コロナの感染状況が見通せないことから、感染防止策を施した計画の通りに開催できるかは不透明との見方もある。

<メモ>浜松まつり 浜松市内174町が初子の誕生を祝う目的で、遠州灘海浜公園(同市南区)での大凧揚げや鍛冶町通り(同市中区)などでの御殿屋台引き回しを繰り広げる。例年は市民参加者を中心に5月3~5日の3日間で計100万人以上が訪れる。浜松まつりの名称が付けられた1950年以降で、東日本大震災が発生した2011年と、新型コロナウイルスの感染が拡大した20年は中止となった。

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