「水あふれた!」被害防ぐ、小山町の内田さん大臣表彰 台風19号、土砂流入直前に養護施設連絡

 19年10月に静岡県などを襲った台風19号による土砂災害の人的被害を防いだとして、小山町小山の内田肇さん(67)が国土交通大臣表彰を受けた。自宅裏の水路の水があふれたのに気付き、近くの養護老人ホームに伝えた。施設は1階にいた入所者を避難させ、建物に大量の土砂が流れ込んだものの人的被害を免れた。

国土交通大臣表彰の伝達を受ける内田さん(右)=小山町役場
国土交通大臣表彰の伝達を受ける内田さん(右)=小山町役場

 25日に町役場で表彰状伝達式が開かれ、内田さんは県河川砂防局の木村尚之技監から表彰状を受け取った。
 内田さんは台風が上陸した昨年10月12日の午後7時半ごろ、待機していた自宅近くの車内で水路の水があふれるのを目撃。直ちに養護老人ホーム「平成の杜(もり)」の職員に知らせた。
 連絡を受けた施設は約30分間で1階にいた入所者を2階に避難させた。全員が避難を終えた数分後に建物に土砂が入り込み、一部は人の背丈以上の土砂が積み上がった。
 県内の個人が土砂災害防止功労者表彰を受けるのは14年ぶり10人目。内田さんは「水があふれるのを見たのは初めて。大変なことだと思い急いで連絡した」と当時を振り返った。
 表彰に立ち合った若林久美子施設長(44)は「今日の平成の杜があるのは内田さんのおかげ」と感謝した。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞