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静岡県内ニュース
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鈴木氏推薦の野党系 自民に先手で存在感 次期衆院選躍進狙う【静岡県知事選】
静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)に向けて、連合静岡と国民民主党県連、県議会第2会派ふじのくに県民クラブが17日、前浜松市長の鈴木康友氏(66)の推薦、支援を決めた。鈴木氏と元副知事の大村慎一氏(60)のどちらを支援するか方針が決まらない自民党県連に対し、野党系が先手を打つ形になった。自民の支持率が低迷する中、知事選で野党の存在感を高め、次期衆院選での躍進につなげたい狙いも垣間見える。 旧民主党の流れをくむ政党、会派を支援する連合静岡は、旧民主党で衆院議員を務めた鈴木氏を推薦してきた経緯があり、今回の知事選でも、鈴木氏の豊富な首長経験を評価する声が大勢を占めた。一部の産業別労働組合(産別)からは、元副知事として県全体の実情を知る大村氏を推す声もあったが、17日の執行委員会では鈴木氏の推薦を全会一致で決めた。 ふじのくにも立候補予定者の2人から政策を聞き取った時点では、所属議員の評価は分かれていた。しかし、議員間討議の結果、「鈴木氏の主張の方が、会派が描く地域主権の姿に近い」「ポテンシャルのある静岡県として自立を目指す訴えに共感した」との意見があり、最終的に鈴木氏を支援する議員が過半数を占めた。 知事選を巡っては、立憲民主党の衆院議員渡辺周氏(62)=比例東海=も立候補に意欲を示していたが、連合の支持を得られず、国政に専念するためとして不出馬を表明。渡辺氏の支援を含めて検討していた一部の野党系議員は再考を求められた。 ある労組関係者は「自民が表に出にくい状況の中、野党が存在感を示したい。こちらが推す候補者に自民も乗って『オール静岡』にできれば」と思案する。 連合静岡の角山雅典会長は「国政のゴタゴタを県政に持ち込み、再び政局を招くことを県民は望んでいない」としつつ、「こちらから与野党相乗りを持ちかける考えはない」と話した。
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二階氏 衆院選出馬せず 派閥裏金「私に全責任」
自民党の二階俊博元幹事長(85)=衆院和歌山3区=は25日、党本部で記者会見し、派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受け、次期衆院選に出馬しない意向を表明した。離党はしない考えで、岸田文雄首相(党総裁)に不出馬の方針を電話で伝えたことも明らかにした。 首相と二階氏は25日、党本部で会談。首相はこの後、首相官邸で記者団に「自民党の再起を強く促す出処進退だと重く受け止めた」と語った。 二階氏は会見で、不出馬について「政治責任は全て監督責任者である私自身にあることは当然だ。自らの政治責任を明らかにする」と理由を述べた。 裏金事件を巡っては、二階派の元会計責任者と、自身の秘書が政治資金収支報告書への不記載で立件され、1月に二階派の解散を決めた。二階氏は「政治不信を招く要因となったことを改めて深くおわびする」と述べた。 党執行部は関係議員の処分を4月第1週にも決定する方針。今回の不出馬の判断に影響したかについては「影響はない。自ら決めたことだ」と否定。年齢は関係したかとの記者団の問いには「お前もその年が来るんだ。ばかやろう」と不快感を示した。 区割り変更に伴う和歌山2区の後継については、「地元の判断に任せている」と述べるにとどめた。残りの任期は力を入れてきた国土強靱(きょうじん)化や2025年大阪・関西万博などに尽力する考えを示した。 二階氏は1983年に旧和歌山2区で初当選し、当選13回。経済産業相や党総務会長などを歴任し、安倍、菅両政権で党幹事長を歴代最長の5年超務めた。 二階氏会見の一問一答 自民党・二階俊博元幹事長の記者会見での主なやりとりは次の通り。一部は同席した林幹雄元幹事長代理が回答した。 「私が会長を務めていた派閥の政治資金問題が政治不信を招く要因となったことに、改めて深くおわび申し上げる。政治責任は全て監督責任者である私自身にある。本日、岸田文雄首相に次期衆院選に出馬しないと伝えた。後継候補は地元の判断に任せる」 -野党は政治倫理審査会への出席を求めている。 林氏「出席の必要がないと判断した。政治資金の使途など全てをつまびらかにして記者に報告している。政倫審に出なくても分かってもらえる」 -党執行部が処分を検討している。今回の判断に影響したか。 「影響はない。自らが決めたことだ」 -意向を伝えた際の首相の反応は。 「首相に聞いてください」 -離党の考えは。 林氏「ありません」 -年齢の影響は。 「年齢の制限があるか。おまえもその年、くるんだよ。ばかやろう」
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教団側推薦確認書 署名か 盛山文科相 衆院選前に
盛山正仁文部科学相が2021年の衆院選前、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体から推薦状を受け取ったとされる問題で、盛山氏は7日の衆院予算委員会で、教団側の推薦確認書に署名もしていたのではないかと問われ「よく読むことなくサインしたかもしれない。よく覚えていない」と述べた。記録もなく、22年の自民党調査で報告しなかったのは故意ではないと釈明。岸田文雄首相は野党の更迭要求を重ねて拒否した。 林芳正官房長官も同日、関連団体との接点が新たに判明したと明らかにした。教団に関する閣僚らの説明責任が改めて問われる事態となっている。 一部報道によると、推薦確認書は教団側が掲げる政策に賛同を求める内容で推薦状の条件とされる。21年10月、神戸市の会合で示されたという。 教団を巡っては、国政選挙に際して関連団体が自民党議員に推薦確認書を提示し、一部が署名したことが判明している。憲法改正の他、LGBTや同性婚合法化への慎重な対応などを掲げ、事実上の「政策協定」と受け止めた議員もいた。盛山氏にも同じような内容が示された可能性がある。 盛山氏は予算委で「軽率」だったと弁明した。会合の出席は公示直前で慌ただしく、これまで記憶になかったと訴えた。「報道された写真を見て、うすうす思い出してきた」と語った。 党調査に報告した分を含め、会合の参加は「2回しかないと承知している」と発言。教団の解散命令請求の手続きを進める立場にあり「職責をしっかり果たしたい」として辞任を否定した。 林氏は7日の記者会見で、21年9月に関連団体の関係者と地元・山口県で面会したと説明。週刊誌の取材を受けて改めて確認して判明したとしている。「当時、相手方が関連団体の関係者という認識はなかった」と述べ、選挙支援を受けたことはないと強調した。
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旧統一教会系から推薦状 21年衆院選 盛山文科相 辞任否定
盛山正仁文部科学相は6日の衆院予算委員会で、2021年の衆院選で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体から選挙支援を受けたとする一部報道に関し「写真があるのであれば推薦状を受け取ったのではないかと思う」と述べ、推薦状を事実上認めた。野党側の辞任要求には応じず、宗教行政所管庁トップとして教団対応に当たる考えを強調。岸田文雄首相も更迭を否定した。 報道は写真付きで、盛山氏が21年10月の衆院選の際、公示前に神戸市で関連団体会合に出席し推薦状を受け取ったとする内容。団体の会員が選挙運動を手伝ったとも指摘した。盛山氏は「選挙支援を依頼した事実はなく、事務所に活動報告があったことも確認できなかった」と説明。「(推薦状の)記憶はなかったので、これまで自民党に対しても報告していなかった」とも語った。 岸田首相は「自ら説明責任は果たしていただきたい。引き続き職責を果たしてもらいたい」と述べた。 旧統一教会を巡っては、高額献金被害の訴えが相次いでいるとして、文科省が昨年10月、東京地裁に解散命令を請求。教団側は争う姿勢だ。盛山氏は予算委で「引き続き解散命令請求の対応に取り組む」と強調した。 立憲民主党の山井和則国対筆頭副委員長は「即刻辞めてもらわないといけない」と国会内で記者団に述べた。 教団広報は「教団としては組織的な選挙支援を行っておらず、友好団体のことなのでコメントできない」としている。 盛山氏側は22年の共同通信アンケートに、旧統一教会からの選挙支援の有無について「ない」と回答。自民党が22年に公表した調査では、関連団体の会合に議員本人が出席し、あいさつしたとの接点が確認された。