「怖い話の巻」の巻/子育てコラムあすなろ

 犬には霊が見えるなどとよく聞きますが、我が家の犬も不可思議な行動をしたことがあります。初めての時は午前2時頃、誰もいない部屋の角に向かってほえました。月に1回ほえるかほえないか程度の穏やかなうちの犬が、明らかに「不審者」にほえていました。そのあたりをどう観察しても虫一匹いません。時間も時間だったので怖かったです。
 そんな話を娘(4)にしたところ、「犬はおばけを見たんだよ」と言いました。私は「やっぱり夜になると出てくるんだ」と言い、早寝を促しました。その後、成功したりしなかったりですが、春以降はいい感じで理想時刻に寝てくれています。「夢の世界には扉があって、いい神様が守っているから、眠ったら安全だよ」と声を掛けると、納得した様子で目をつぶります。
  ある夜、私は寝られず、寝入った娘の横でごろごろしていました。深夜にさしかかった時間帯、犬がふとベッドに上がってきました。どうしたのかと不思議に思って見ていると、みるみるうちに怒りの形相に変わりました(犬って結構表情豊か)。怖くなって抱き上げてみましたが、私の陰に身を潜めて、何かをにらんでいました。目線の先にはやはり誰もいません。あまりの迫力に「本当に不審者がいて、犬は臭いで察知しているのかもしれない」と思いはじめ、私はフライパンを持って部屋中探しました。でも「不審者」はいませんでした。娘を起こそうかと思いました。

(のびのび)

子育てコラム「あすなろ」(811) 「怖い話の巻」の巻

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