TeamBuddy
備える
「TeamBuddy(チームバディー)」は、静岡新聞SBSが行政や企業と連携し、いつも身近にいて県民一人ひとりをサポートする相棒のような存在になりたい、という思いを込めたプロジェクトチームです。
 最初の活動として、「防災・減災」から始めます。地震が起きることを想定し「知る、学ぶ、備える、守る、つなげる、シェアする、つたえる」活動に取り組んでいきます。
 阪神・淡路大震災から22年―。当時、静岡県職員として被災地に駆け付けた経験もあり、静岡の防災行政をけん引してきた静岡大防災総合センターの岩田孝仁教授に話を聞きました。大災害に「備える」について考えます。
OurBuddy#1

しずおか防災人自主防の熱意再び高めて

静岡大防災総合センター 岩田孝仁教授 1955年大阪府生まれ。前静岡県危機管理監

自主防の熱意再び高めて

もう22年前になりますが、被災地の光景は今でも鮮明に覚えています。発生4日目に西宮の駅から20㌔近く歩いて神戸に入りました。通りには毛布にくるまれてすらいない遺体もある状況でした。1カ月ほど現地で活動しましたが、神戸を離れると水平感覚がおかしくなっていることに気付きました。あらゆるビルや建物、道路が傾いていたということでしょう。「震度7」が都市を襲った衝撃を感じました。

震災以降、とにかく耐震強化を見直しました。静岡県は耐震補強の補助金制度も整っているので住宅の耐震化率は82.4%まで伸びましたが、ここ数年は頭打ちで限界も感じています。

耐震の課題に加えて、危機感の低下が気になります。東日本大震災以降、津波ばかり注目され、内陸なら大丈夫という誤った安心感があるのかもしれません。県が隔年で実施する意識調査でも東海地震への関心は震災直後に高まったものの、その後は2回連続で落ちました。自分の地域で起こりうる災害リスクを把握することが大切です。

本県の防災力の強みは、自主防災組織の充実です。ただ、立ち上がった1980年頃に比べると、熱意が下がっている地域もあり、買いそろえた防災用機材も劣化しているかもしれません。また当時は若者も多く、炊き出しや避難訓練が積極的にできましたが、現状の高齢社会では難しい面もあります。

県職員の立場を離れて、学生と触れ合う機会が増えました。静岡大では地域創造学環という新しいプログラムがあり、学生が地域というフィールドで新たな試みに挑戦しています。地域の防災力を計るとき、若者から高齢者まで活力があって、コミュニケーションが活発な地域は防災力が高く、被災後の復興も早いと感じます。

静岡大防災総合センター 岩田孝仁教授
静岡大防災総合センター 岩田孝仁教授
岩田孝仁教授 2枚目
阪神・淡路大震災
阪神・淡路大震災にて静岡県職員として被災地に駆け付けた時の様子(岩田教授提供)

SBSラジオで16日に放送された「GOGOワイドらぶらじ」に、岩田孝仁教授がスタジオ出演しました。

22年前の阪神・淡路大震災について「6434人の方が亡くなられたが、約85%の方は自宅などの倒壊による圧死だった」と振り返りました。また静岡県の耐震補助が成り立った経緯について、「住宅は個人所有だけど集合すれば街を形成する。地震で住宅が倒壊することで街がなくなると考えられます。公共的な性格をもつと考えれば、税金で住宅耐震化の補助をするべきと考えた」と説明し、改めて耐震化の重要性を訴えました。

岩田教授ラジオご出演の模様は、パソコンやスマートフォンで1月23日(月)まで、「radiko.jp」のタイムフリー機能で聴くことができます。 下記のアドレスにアクセスしてみてください。
[radiko.jp] GOGOワイド らぶらじ│SBSラジオ│2017/01/16/月 14:00-18:20
http://radiko.jp/share/?sid=SBS&t=20170116151348

TeamBuddyでは、今後も防災・減災に携わる方や団体を取り上げ、新聞やラジオで紹介していく予定です。

岩田孝仁教授がスタジオ出演

INFORMATION

県内防災活動紹介

「ふじのくに防災学講座」

見直し作業が進められている大規模地震対策特別措置法(大震法)の課題などを考える講座です。

2017年1月21日(土)10:30~12:00まで
会 場/静岡県地震防災センター(静岡市葵区駒形通5丁目9-1)

〈講 師〉
元東京大地震研究所研究員/泊 次郎 氏

〈テーマ〉
「大震法ができた頃と今」

【申し込み・問い合わせ】
静岡県地震防災センター TEL.054-251-7100