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変わる高校野球(中)夏を勝ち抜く継投策 投手の消耗回避に一石

(2017/12/30 14:28)
新聞を見ながら今夏を振り返る浜松商の(手前から)河野、宮本、青野、中山、増田ら投手陣=浜松商高
新聞を見ながら今夏を振り返る浜松商の(手前から)河野、宮本、青野、中山、増田ら投手陣=浜松商高

 今夏の全国高校野球選手権(甲子園)は、優勝した花咲徳栄(埼玉)をはじめ4強すべてが継投で勝ち上がった。タイプの異なる投手を球数や回数に応じて分担させる。エースを先発でなく、2番手以降に起用することが多い。静岡大会で2年連続4強の浜松商が今夏、採用した。
 エース左腕増田理人、左腕中山陣汰、右横手河野凌佑、右腕の宮本拓、青野有馬の5投手がベンチ入りし、2~4人でつないだ。鈴木祥充監督は「できるならエースに全部任せたい」と積極的な策ではなかったが、勝つための選択だった。
 転機は5月。今春の選抜大会に出場した至学館(愛知)との練習試合がヒントになった。至学館は左と右の2投手を交互に一塁に置きながら小刻みにつないでいた。鈴木監督は目先を変える効果だけでなく、夏のエースの消耗を回避できると考えた。
 その後の練習試合は3回ずつ投げて主戦に託す継投を試みた。投手陣は「本番もこれでいくのか」と最初は疑心を抱いたが、「増田の投球数を少しでも減らす」という役割分担は次第に浸透した。宮本は「イニングが短いし、後ろにいい投手がいるから最初から飛ばせた」と振り返る。
 日大三島との準決勝も計画通りに進んだ。先発河野、2番手中山が3回ずつ投げ、1点リードで七回から増田が登板した。「八回をゼロで抑えた時、よしと思った」と河野。だが、予期せぬ展開が待っていた。九回裏に増田が2長打を浴びて同点とされ、延長に突入したのだ。日大三島の主戦海野陽日は大会一番の出来。浜松商ベンチに不安がよぎった。
 マウンドの増田にも異変が生じていた。九回1死、相手の3番長尾樹に投じた134キロの内角直球は「自信があった球」。それを左翼線への二塁打とされて焦った。動揺と重圧、暑さが徐々に左腕を追い詰めた。継投の方針が決まってから、増田は練習試合でも6回以上を投げていなかった。延長十一回、左脚に違和感を感じ、延長十三回には両脚にけいれんを起こした。
 増田の降板で勝利の方程式が崩れた。右翼の守備に付いていた中山にとっても延長十三回の再登板は想定外。「投手としての気持ちは切れていた」。頂点まであと一歩届かなかったが、夏の戦い方に一石を投じた伝統校のチャレンジだった。

 <メモ>激戦区となる来夏の静岡大会 100回記念大会となる来夏の甲子園は史上最多の56校が出場する。地方大会の参加校数が多く、準々決勝の前に5回戦がある神奈川、大阪、愛知など7府県は2校が出場する。本県の加盟112校は出場1校の府県の中では最多。激戦区となる本県代表が甲子園で勝つには投手の消耗回避も鍵になる。

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明治安田J1

◇第17節 1回戦
G大阪 1 - 2 清 水 (終了)
札 幌 0 - 0 磐 田 (終了)
名古屋 0 - 0 広 島 (終了)
神 戸 0 - 3 湘 南 (終了)
鹿 島 6 - 2  柏  (終了)
F東京 5 - 2 横浜M (終了)
川 崎 1 - 0 長 崎 (終了)
C大阪 1 - 1 浦 和 (終了)
鳥 栖 0 - 1 仙 台 (終了)
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