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平昌にも長野のレガシー メダリストの原体験に

(2018/2/21 17:07)
カーリング男子1次リーグの韓国戦で、ショットを放つ両角友佑。左は両角公佑、右は山口剛史=江陵(共同)
カーリング男子1次リーグの韓国戦で、ショットを放つ両角友佑。左は両角公佑、右は山口剛史=江陵(共同)

 日本中を沸かせた1998年長野冬季五輪から既に20年。派手な招致活動への批判や環境保護問題などもあったが、平昌五輪では「長野のレガシー(遺産)」を発見することがある。2020年東京五輪を控えて、あらためて五輪の波及効果を感じる。

 ▽軽井沢にカーリング
 カーリング男子で日本代表として健闘したSC軽井沢クラブ。本拠地を置く長野県軽井沢町は長野五輪でカーリング会場となった。
 「氷上のチェス」とも言われるなじみの薄かった競技を、少年だった現日本代表の両角友佑、公佑兄弟が観戦していたという。地元の中学生だった友佑はそこでカーリングに出会い、競技を始めた。
 五輪を契機に地元自治体もカーリング振興に協力。五輪会場となったスポーツ公園を拡充。夏はプール、冬はアイスリンクだった施設に加え、通年型のカーリング専用リンクも開設した。
 SC軽井沢クは徐々に整備された練習環境も得て、力をつけた。男子の五輪出場は、開催国枠で出場権を得た長野大会以来。平昌では強豪チームと渡り合った。
 20年前に軽井沢町に五輪が来なければ、果たせなかった大舞台だ。五輪でまかれた種が20年後に実をつけた。

 ▽メダルがもたらした夢
 五輪はこどもに夢を抱かせ、目標を与える。今回、大活躍の日本人メダリストの原体験にも長野五輪がある。
 スピードスケート女子で金、銀メダルを獲得した小平奈緒は、スケートが盛んな長野県茅野市出身。地元クラブのリンクで楽しんでいた小学生時代に五輪があった。清水宏保の金メダル(男子500メートル)や岡崎朋美の銅メダル(女子500メートル)を見て、強い憧れを抱いた。
 「長野オリンピックを見た感動が、私を成長させてくれた」と言う小平は、金メダルを胸にした表彰式の感想をこう語った。「清水さんや岡崎さんが長野で見た景色と一緒なんだと思い、感動した」
 ノルディックスキー複合ノーマルヒルで銀メダルの渡部暁斗は長野県白馬村出身。白馬につくられたジャンプ台を仰ぎ見て育った。応援した船木和喜や日本の団体での金メダルに触発されて本格的にスキー競技を始めたという。
 白馬村は古くからスキーのメッカ。距離コースもあったところに国際級のジャンプ台も整備されて、複合を鍛えるのに十分な環境になった。施設とモチベーション。五輪の遺産が二つあった。

 ▽国際交流も継承
 平昌では、長野が始めた「一校一国運動」を継承している。五輪開催地域の学校が、それぞれ応援する国を決めてその文化や歴史を学び、競技でも声援を送る。長野での取り組みが国際的な評価を得て、2000年シドニー夏季大会など各地の五輪で行われてきた。
 平昌では開催地の江原道の小中高校が「一校一国文化交流」というプログラムを組んで、参加選手と交流を重ねている。スポーツを通じた国際交流は五輪の目標でもある。長野のレガシーが大きく育った好例だ。
 20年東京五輪でも、首都圏という広大な地域や多くの子どもたちに「何を残すか」が問われている。(共同通信=荻田則夫)

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