こち女ボイス「活字の贈り物」

(2018/9/1 11:00)

 探しものをしている最中、ふと読み返した年賀状に「来年より年賀の挨拶を失礼します」というメッセージを見つけました。控えめに書かれていたため、お正月の時には見落としていたようです。
 「活字には宝物が詰まっている」ー。送り主は十数年前、進路を迷っていた私にこんな言葉を贈り、この仕事に就くことを決意させてくれた、いわば恩人です。ここ最近、年賀状だけのやり取りではありましたが、互いの近況報告が楽しみでした。こちらから送るだけでも…と考えましたが、年賀状のやり取りは確かに毎年大変なこと。その方も決意した上でそう伝えてきたのでしょうから、ご迷惑になってはいけないと来年から控えなくてはと思っています。
 傍らでは、平仮名が分かるようになってきた娘が、私が開く新聞や雑誌をのぞき込んでは、自分の名前の文字を探し、見つけるたびに目を輝かせて教えてくれます。その姿はまるで宝物を見つけたかのよう。
 「贈られた言葉は今、娘にも伝わっていますよ」。そんな報告の手段を一つ失って、やはり少し寂しい思いです。 (森田美咲)

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