狩野川、樹林面積広がる岸辺 決壊のリスク増

(2018/10/26 07:54)
狩野川で繁茂する樹林。川の流れを阻害するなど、悪影響がある=25日午前、伊豆の国市の松原橋付近

 伊豆市から沼津市にかけて流れる狩野川の河川内で繁茂する樹林の面積が、1995年から18年間で約2・3倍拡大していたことが、25日までの国土交通省沼津河川国道事務所の調べで分かった。1965年の狩野川放水路完成で、流量を制限できるようになった一方、土砂と樹木を海まで押し流す能力が低下したことが主な原因。想定以上の豪雨が降った場合は河川内の樹林が川の流れを阻害して氾濫や堤防の決壊を招く可能性もあり、同事務所は危機感を強めている。
 河川内の樹林面積が広がっているのは、放水路より下流域の伊豆の国市や函南町、三島市。放水路完成前は大水の際に海へ流出していた土砂が川岸付近や中州に残り、メダケやマダケ、ヤナギなどが繁茂している。同事務所の調査では、95年に約16ヘクタールだった樹林の面積は2005年に28ヘクタール、08年には34・5ヘクタール、13年には36・3ヘクタールに拡大した。
 川の流下能力の低下は、さまざまな災害リスクを生む。流れが偏り、堤防の一方に水が集中して越水などを招き、最悪の場合、堤防決壊を引き起こす可能性もある。密集地帯では漂流物が引っかかり、ダム化して水位を上昇させたり、樹木自体が流木化したりすることもある。平常時はごみ投棄の温床にもなり、環境面での悪影響もある。
 樹林面積の拡大などの影響で、現在の狩野川は本来必要とされる流下能力を確保できていない。同事務所河川管理課の増田進一課長は「1958年の狩野川台風クラスの災害が起きた際、最悪の場合破堤する場所が出てくるかもしれない」と懸念する。
 同事務所は密集した樹林を間伐したり、目視などで川の状況が確認しにくい箇所の樹木を伐採したりしている。だが、樹林の範囲が広く、予算上の制約でなかなか進まないのが現状という。増田課長は「水生生物の保護も考慮しながら樹林の伐採を進め、流量の回復を目指す」としている。

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