台湾で息子が自転車事故死 浜松の父親が駐日機関(都内)訪問へ

(2018/10/2 09:42)
愛用の自転車に触れて寛之さんをしのぶ白井良一さん。破損した車体は修復されて白井さんの元に戻ってきた=9月29日、浜松市北区細江町

 2017年に台湾で、自転車レースの練習中の事故で息子を亡くした浜松市北区細江町の白井良一さん(68)が2日、台湾の駐日代表部に当たる台北駐日経済文化代表処(東京都)を訪問する。事故直後、失意の中訪れた台湾で、現地の人々に支えられた。感謝と日台友好の思いを伝えるつもりだ。
 白井さんの次男の寛之さん=享年(35)=は17年9月、花蓮県の太魯閣(タロコ)渓谷で毎年開かれる「太魯閣国際ヒルクライム」の前日練習中、落石に巻き込まれた。一報を受けた白井さんは現地の病院で意識不明の寛之さんと対面。体の至る所に残る治療の痕が事故の衝撃を物語っていた。数日後に帰らぬ人となった。
 悲しみに寄り添ってくれたのは台湾で出会った人々だった。帰国の際には病院関係者の計らいで、自転車愛好家約100人が遺骨を載せた自動車と並走し寛之さんを見送った。事故で壊れた愛用の自転車は現地で修復されて実家に戻り、寛之さんが宿泊予定だったホテルは生前の様子が写った防犯カメラの映像を提供してくれた。異国の地とは思えない心遣いがうれしかった。
 「力を貸してくれた方々にお礼を言おう」と、ことし6月に再び訪台した白井さん。現地のラジオ局の協力で寛之さんを応急手当てした一般人を捜し出し感謝を伝えた。遺影を持って大会にゲスト参加し、寛之さんのゼッケン221の完走証とメダルを受け取った。
 一方、息子を失った現実に納得できない気持ちも。現場の道路を管理する台湾当局に現地の弁護士を通じて賠償を求めたが、却下された。「寛之がなぜ亡くなり、その責任はどこにあるのか。親としてはけじめをつけたい」と胸中を明かす。
 2日の訪問では駐日代表と懇談予定。複雑な感情を抱えつつも、自転車好きだった寛之さんの思いをくみ、両国のサイクリストの絆が強まるよう願いを託す。「この先も多くの人が親睦を深めてほしい。寛之もきっと天国から応援している」

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