警察犬の出動急増 静岡県内、認知症高齢者ら捜索にも活躍

(2018/9/29 07:32)
高齢化などを背景に警察犬の活躍の場が広がっている=26日、静岡市駿河区のバウハウス

 静岡県内で警察犬の出動件数が急増している。従来は事件現場への出動要請が中心だったが、認知症の高齢者など行方不明者の捜索依頼が相次いでいるためだ。住宅事情の変化などで警察犬候補となる大型犬を飼う人が減る中、県警は自前で飼育する「直轄警察犬」の導入を検討している。
 日本警察犬協会公認の警察犬訓練所「バウハウス」(静岡市駿河区)では、この20年で訓練を受けた100頭余りが警察犬になり、犯罪捜査や行方不明者の捜索に活躍してきた。
 「悪条件でも活動できる集中力と持続性が大切」と所長の山田多絵さん。夜中に出動要請を受けることもしばしばだが、「社会の役に立ちたい」と訓練や後進の育成に奮闘する。防犯パトロールなどのイベントにも積極参加している。
 県警鑑識課によると、今年1~8月の警察犬の出動は152件で、前年同期の48件から3倍超に増えた。犯罪捜査が4件少ない31件にとどまる一方、行方不明者の捜索は108件増の121件と大幅に伸びた。昨年9月から捜索が公費負担の対象になったためだ。
 鋭い嗅覚を生かして行方不明者を保護する場面も。7月に浜松市内で70代の男性が行方不明になったケースでは、連絡を受けた男性訓練士と警察犬が最後に目撃された場所から30メートル離れた山中で横たわっていた男性を発見した。
 県警の警察犬は現在30頭。民間が飼育する「嘱託警察犬」に頼ってきたが、2014年の42頭から減少傾向にある。飼い主の減少や警察犬を育てる訓練士の高齢化が影響し、嘱託犬になるための審査会に出場する犬の数も減っているという。
 今後も認知症高齢者らの捜索で出動要請は増えることが予想される。日本警察犬協会は「飼い主のボランティア精神で支えられている部分もあり、全国的に直轄犬制度を導入する動きが広がっていくのでは」とみる。

 <メモ>警察犬 警察が直接飼う直轄警察犬と、審査に合格した民間訓練所などの犬を採用する嘱託警察犬に分かれる。警察庁によると、昨年末時点の全国の直轄警察犬は157頭、嘱託警察犬は1214頭。主な活動は容疑者の追跡や遺留品の発見、行方不明者の捜索など。県内では2017年に行方不明者の捜索が犯罪捜査の出動を上回った。日本警察犬協会は警察犬の能力を備えた候補として、シェパードやラブラドルレトリバーなど7犬種を指定している。

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