「北山の棚田」保全に奮闘 協力隊員、HPで発信 沼津・戸田

(2018/9/6 07:47)
日本の棚田百選に選ばれている「北山の棚田」の風景。米作りを行う人が減少している=8月上旬、沼津市戸田

 日本の棚田百選に選ばれている沼津市戸田地区の「北山の棚田」を保全する担い手が減少し、地域おこし協力隊の奥田薫樹さん(47)が存続に向けて奮闘している。棚田を訪れる人の受け入れ拠点として集落の古民家を改修中で、田植えや稲刈りの体験事業の募集も始めた。「素晴らしい景色を次世代につなげたい」と意気込んでいる。
 富士宮市北山の人々が移り住み、約400年前に作られたと伝えられる北山の棚田。かつては約4ヘクタールにわたって稲穂が実ったが、高齢化などを受けて米作りをする住民は数人となり、近年は地元特産のシキミが植えられたり、放置されたりする範囲が増えている。2006年度から行われていた田植え、稲刈りを体験できるオーナー制度は、地元の受け入れ体制が整わずに14年度以降中断している。
 奥田さんは17年度から戸田地区に赴任し、市職員が米作りに挑戦した棚田を引き継いだ。昨秋は地元戸田小の児童も参加し、240キロを収穫。棚田をPRするホームページを開設し、田植えや稲刈りの体験募集を開始した。「実際に訪れて、美しい景色と戸田の地形を感じてほしい」と、昨年末から棚田近くの古民家に居住しつつ、改修に着手。今秋から休憩所として活用し、いずれは宿泊も受け入れる方針だ。
 一連の取り組みは市の民間支援まちづくりファンド事業に採択され、古民家改修費の一部補助を受ける。園芸農家だった経験を生かして同地区でシキミやかんきつ栽培にも取り組む奥田さんは「素晴らしい農業があり、仕事も豊富なのに後継者がいない」と危機感を募らせ、農業や移住のお試し体験なども構想する。

 <メモ>北山の棚田は1999年に農林水産省が初めて認定した「棚田百選」の一つ。城壁を思わせる石積みの棚田が集落に溶け込む景観が特徴で、2001年には水の力を利用した精米小屋が復元された。沼津市が公募を経て選んだ「ぬまづの宝百選」にも選ばれている。

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