“水泳のまち”伝統つなぐ 磐田・竜洋、地区大会半世紀

(2018/8/21 17:00)
水泳大会で交流する磐田市竜洋地区の住民ら=7月中旬、同市の竜洋B&G海洋センター

 1964年東京五輪に競泳選手を輩出した磐田市竜洋地区(旧竜洋町)で同五輪から50年以上にわたり、「竜洋水泳大会」が継続されている。戦前から水泳が盛んだった伝統を受け継ぎ、今も幅広い世代がプールで地域の絆をはぐくむ。大会運営に長年携わる主催者団体代表の松下孝さん(75)は「東京五輪の2020年はもちろん、それ以降も長く続けたい」と声に力を込める。
 松下さんによると、合併した自治体も含め、半世紀以上続く水泳大会は県内でも珍しいという。同地区は大正末期の日本選手権に選手を輩出。旧竜洋町史には、天竜川にロープを張った戦後間もない競泳練習場の写真が残る。竜洋中には1954年、当時の全国の中学でもいち早く50メートルプールが造られ、選手の活躍を後押しした。
 大会の最盛期には、約40自治会が参加するタイムレース中心の本格的な競技会が展開され、小中学生が個人競技やリレーで競った。保護者らも熱の入った応援で盛り上げた。
 だが、20年ほど前から少子化やスポーツ種目の多様化で参加者の減少が顕著になった。松下さんらは「大会を自分たちの代で終わらせるわけにいかない」と奮起。各自治会を回って参加者を募ったり、大会の時間を短縮したりするなど、仲間と試行錯誤を重ねた。
 今年7月、地区のプールで開かれた55回大会には9自治会約200人が参加し、浮輪を使ったリレーや水中でのボール送りなどで交流を深めた。模範泳法を披露した竜洋中水泳部3年の鎌倉菜南さん(15)は「小学生時代に地域の人と一緒に楽しんだ思い出がある。大会を通じて小学生にも水泳を好きになってほしい」と話す。
 日焼けした児童生徒の泳ぎをうれしそうに見つめた松下さん。2度目の東京五輪を控え、「郷土の水泳の歴史も子どもたちに伝えたい。スポーツで地域がつながる場所を今後も提供したい」と意欲を示した。

 <メモ>磐田市ゆかりの競泳五輪選手 合併した磐田市全体では1936年ベルリン五輪で金メダルに輝いた寺田登さん(1500メートル自由形)と杉浦重雄さん(800メートルリレー)、32年ロサンゼルスとベルリンの2大会で銀、銅をそれぞれ獲得した牧野正蔵さん(自由形)ら9人がいる。竜洋町体育協会誌によると、同市竜洋地区からは、ベルリンに古田つね子さん、64年東京に佐藤公子さん、大隅潔さんが出場した。

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