富士山頂の旧測候所 高所研究、着実成果も資金確保が課題

(2018/8/1 17:10)
研究観測拠点として利活用される、富士山頂の旧測候所=1日午前10時15分

 富士山頂の剣が峰(標高3776メートル)にある旧富士山測候所を、認定NPO法人富士山測候所を活用する会(東京都)が研究観測拠点として利活用し、多様な分野で成果を上げている。12年目を迎えた活動で大きな課題の一つが、資金確保。膨大に掛かる夏季観測の経費をまかなうため、同会は日本一高所での研究活動への理解を広く呼び掛けている。
 台風観測のとりでとして戦前から活用されてきた測候所は、気象衛星の発達などにより1999年にレーダー観測を停止。2004年に無人化された。同会は07年から気象庁に観測所を借り、国内外の大学関係者らが立地条件を生かした大気化学や高所医学などの研究を進めている。
 同会によると、年間の維持管理費は約4千万円。7~8月の約2カ月間の夏山期間中には、研究活動の安全性確保のためにインフラ整備や登下山の管理などに多額の費用が掛かる。電源の負担や修繕も借用条件で同会が負担している。公的補助は受けておらず、寄付や民間助成金などに頼っているのが現状だ。
 今夏、測候所では同会の公募で選ばれた29事業、延べ400人の利用者が研究に従事する予定。その数は年々増加する一方、老朽化が進む建屋やインフラのメンテナンス問題なども深刻になっている。
 同会は今夏、広く研究を知ってもらおうとホームページ上でリアルタイムデータの公表に力をいれる。同会の土器屋由紀子理事(79)=江戸川大名誉教授=は「(インターネットを通じて資金を募る)クラウドファンディングの手法なども活用し、ここでしかできない意義ある研究を続けていきたい」と話す。

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