スルガ銀の組織的不正認定 第三者委、経営責任言及

(2018/9/8 06:57)
スルガ銀行の不適切融資の調査報告を行った第三者委員会の会見=7日午後、沼津市内

 シェアハウス投資などへのスルガ銀行の不適切融資問題で7日、外部弁護士らで構成する同行の第三者委員会が調査報告書を公表した。組織的な不正行為を認定し、審査書類などの改ざんでずさんな融資を横行させたのが多額の損失につながったと指摘。中村直人委員長は「経営陣に無責任な営業推進体制をつくった責任がある」と結論づけた。代表権を持つ岡野光喜会長(73)、米山明広社長(52)、白井稔彦専務(64)ら取締役5人は同日付で引責辞任し、新社長に有国三知男取締役(52)が昇格した。
 調査対象113人のメールや端末データなどを解析した結果、行員が関わった形で改ざんが疑われる資料795件を検出。債務者が一定の財務力があるかのように通帳残高を偽造したり、融資限度額を引き上げるために現実的な水準を超えた家賃を設定したりした行為を確認した。
 不正の主導役に元専務執行役員を挙げた。審査部門をどう喝して融資の稟議(りんぎ)を押し通し、承認率は99%を超えていた。不正融資の総額や件数は「調査が困難で、時間的な問題も踏まえ断念した」(中村委員長)。
 ずさんな融資や不正行為の原因には、過大な業績目標と行員にかかった過度なプレッシャー、審査の独立性の欠如、法令順守意識の欠如などを挙げ、「企業風土が著しく劣化していた」と断定。経営陣が現場に深入りせず放任・許容したことが、営業の逸脱行為の大元とした。
 岡野会長と米山社長の経営責任については「個別の不正や融資に関するリスクを知り得た証拠はなく法的責任はない」としながらも、職務上要求される管理者としての注意義務を怠った責任があると説明した。

 ■第三者委報告書の骨子
 【偽装と不正】
 ・通帳残高の水増し
 ・必要な融資を引き出すため、価格の異なる契約書を二重作成
 【行員の関与】
 ・一部の執行役員や支店長が主導し、多くの行員が関与
 【原因】
 ・過大な営業目標による強度なプレッシャー
 ・独立性が失われた審査部門
 ・法令順守意識が欠如し、企業風土が劣化

 <メモ>シェアハウス問題 シェアハウス物件オーナーにスルガ銀行が融資する際、不動産販売会社による預金残高の水増しなど審査書類の改ざんが横行していた問題。スルガ銀の投資用不動産向け融資全体のずさんな審査の実態にも目が向けられた。首都圏で女性用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営する不動産会社スマートデイズ(東京)が1月、オーナーに対して約束した賃料の支払いを停止したことを契機に表面化した。

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