「欧州で個展」夢実現へ 画家、故石田徹也さん(焼津出身)

(2018/7/11 07:35)
スペインでの石田徹也さん個展開催に向け、打ち合わせをする石田道明さん(右から2人目)、テレーサ・ベラスケスさん(右)、川谷承子さん(左)=6月、静岡市駿河区の県立美術館

 2005年に31歳で亡くなった焼津市出身の画家石田徹也さんの個展が来年4月、スペイン・マドリードの国立ソフィア王妃芸術センターで開かれることが10日、関係者への取材で分かった。海外での本格的な個展は初めて。パブロ・ピカソの「ゲルニカ」を常設展示し、近現代美術において世界有数の美術館での開催に、兄の道明さん(52)=焼津市=は「弟の夢だったヨーロッパでの個展が実現することが一番うれしい」と語った。
 同センターでは過去に草間弥生さんらの個展が行われた。石田さんの作品展は来年4月11日から9月6日まで開かれる。県立美術館の所蔵作品を中心に、家族や国内外の美術館と個人、法人が所蔵、所有する計50点以上を展示予定という。
 同センター企画展責任者の学芸員テレーサ・ベラスケスさんが、石田さんの作品に魅了されたのが個展開催につながった。15年、イタリアで2年に1度開かれる現代美術の世界的祭典「ベネチア・ビエンナーレ」を訪れ、「作品を“発見”し、あまりの衝撃に息が止まった」。
 先の見通せない不確定な社会、沈うつなムードと人々の心、インターネットの発展で内向するさまが「パワフルに、技巧的に描かれている。いつかスペインで個展をと思い、名前をメモした」と振り返った。社会の闇を描いた作品は、「人ごとではないと、スペインでも石田さんの深い思いに共感してもらえると思う」と期待した。
 ベラスケスさんは6月、県立美術館所蔵の作品確認に訪れた。対応した同館上席学芸員の川谷承子さんは「個展開催はとても名誉なこと」と価値を語った。韓国・光州ビエンナーレ、米国での小規模展を経て、ベネチアに招待された経緯を踏まえ、「階段を上っている状態。今後、ヨーロッパの美術館での展示につながっていくのでは」と見通した。
 石田さんが残したノートには、「いつかヨーロッパにて制作し、作品を発表したいと思います。それが一生の夢です」と記されていた。道明さんは、「よく発見してくれた」と弟の願いをかなえるため、着々と準備を進めている。

 <メモ>石田徹也(いしだ・てつや)さん 1973年、焼津市生まれ。焼津中央高、武蔵野美大に進み、創作活動を始めた。若手芸術家の登竜門、VOCA奨励賞などをはじめ、数多く受賞した。2005年、都内の踏切事故で亡くなった後、県内外で作品展が開かれ、近年は海外での関心が高まっている。

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