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山田辰美 日々のまなざし
山田辰美 日々のまなざし
山田先生が日々の出来事や自然の移ろい、絆などをモチーフに綴る詩をご紹介しています。

2017年4月 1日 06:11

山田辰美 日々のまなざし

お不動様の怒り

お不動様の怒り

―子ども時代を駆け抜けてしまう子ども達へ―

急ぐな!

大人になるのを急ぐな!

ふるさとの川や野山でたっぷり遊べ

たくさんの生き物と不思議に、

河童のように目を見張るのだ

子ども時代を豊かな感性でゆったりと味わえ

そして、心躍る体験や出会いを通して

金や物よりも大切なものをつかみ取れ

急ぐな!

大人になるのを急ぐな!

もっと能天気な夢を見ろ

世の中が平和で、季節の巡りが狂わない限り

お前の人生くらいは何とかなる

お天気と人生が自分の思うようにならないこと

命のはかなさ、自然の厳しさも知るのだ

畏れという心だ・・・ 

急ぐな!

大人になるのを急ぐな!

子ども時代を駆け抜けて、どこへ行く?

人生の果てにゴールがあるわけじゃない

一回きりのその時を味わい尽くさなければ、もったいない

お日様の育てた自然に飛び込んで

道草をしろ

寄り道をしろ

びっくり、やったぜ、なるほどを存分に味わえ

その感動がお前にキラキラした輝きと

光りある未来を与えるのだ・・・

2017年3月25日 06:57

山田辰美 日々のまなざし

ペイフォワード

ペイフォワード

喜んでくれてありがとう

人の役に立つこと

縁もゆかりもない誰かに親切にすること

そのことで自分の心が癒される

ペイフォワード

人は誰かのためになりたい

そのことに気付いていない人も多くいるけど

見返りを期待しないで人に尽くすことだ

大丈夫、やってごらん

ペイフォワード

生きている歓びはどこから来るの

多くの人は自分の夢や野望を目指して生きている

そこからしか達成感や充実感は生まれないと思っていた

でも自分の欲望から返って来るものは

満たされない想いや飢餓感ばかりだ

ペイフォワード

他者への奉仕、無償の善意

相手に何も求めないこと

人の喜びを自分の喜びとする

人の嬉しそうな表情が自分の心を晴れやかにする

清々しい想いが心を満たし始める

生きている証しは周りの人たちの笑顔だ

それが生きる歓びになる

ペイフォワード

喜んでもらってなんぼの人生

求めるのではなく信頼されることの歓び

支配するのではなく奉仕することの歓び

何も求めないこと

喜んでくれてありがとう

それが嬉しい

それが幸せ

2017年3月18日 06:13

山田辰美 日々のまなざし

顔なしの探し物

顔なしの探し物

透明な存在であるボク

そんな風に自分のことを表現した少年A

他者と生活感を喪失したまま

孤立した魂が犯した恐ろしい事件

不気味な気分が日本中の子どもにひたひたと広がった

少年Aに共感する子ども達がある日突然、キレる

見知らぬ人を突然襲う子どもの暴力

そこにどんな意味があるの

その衝動はどこから生まれたの

「顔なし」はいつでも自分を探している

家族の中でもクラスの中でも

自分がいなくても何も変わらない感じ

見て欲しいのに誰も自分をふり返らない

何かしてあげたいのに誰も自分を頼りにしない

喜怒哀楽の表情を見失ったまま生きて来た

気が付くと足元から透明になっていたんだ

いじめられる者も透明になりたいと思う

淋しくて虚しくて自分を消したい

透明になれば仕返しだってできる

曖昧な態度の傍観者も飲み込んじゃうぞ

現代という豊かな時代

日本という物の溢れた社会

その中で君は何に飢えているの

貧しい国の子どもは腹ペコで学校にも通えないが

家族を支える仕事や役割が与えられ、目は輝いていた

素足でふるさとの大地にしっかり根っこを張っていた

この国はどこかが間違っている

豊かさも自由も君には幸いをもたらさない

液晶の画面からは答えは返ってこないよ

名前で呼び合う仲間の中で自分を見つけていくんだ

人や地域との関係をもっと結ぶことで、手応えを感じろ

人に向かって行けば自分が見えてくる

もう透明なんかじゃないから

2017年3月11日 06:38

山田辰美 日々のまなざし

闇と光

闇と光

(宮沢賢治「銀河鉄道の夜」)

大地が躍り、

大きな波が襲って

暗闇がこの国を支配した

目覚ましい経済成長を遂げた豊かな国は

70年ぶりに闇夜を迎えた

地響きのような慟哭だけが静寂をやぶっていた

痛みでうめき、不安で啜り泣き、

底冷えに震え咳き込む

昼は惨状を呆然と眺め

夜は寒さと闇にふるえた

「僕、もうあんな闇の中だってこわくない。

きっとみんなの本当のさいわいを探しに行く。

どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んでいこう」

ジョバンニのいう「本当のさいわい」とはなんだろう

混乱と失意の中で僕たちは仲間をたぐり寄せ

仲間のぬくもりに励まされて

新しい日本の再生に向かって立ち上がろうとしている

科学と経済が生み出した大物量の世界

それらは今、虚しい瓦礫と化している

「本当のさいわい」は

物や金の豊かさを競うような社会にはない

闇の中で目を凝らすと

小さいけれど美しい星たちが見えるように

暗い災厄の中で

「本当のさいわい」の在りかが探り出せるような気がする

自然の巡りと共に生き、

こころの絆や信頼で結ばれ

人の品性や誇りを大切にした懐かしい日本に

今、光とぬくもりを感じている

2017年3月 3日 00:22

山田辰美 日々のまなざし

母よ

母よ

母よ

中一の時

「逆境に負けるな

忍耐は無駄ではない

高潔な志を持ちなさい」

そう僕に教えてくれました

僕はいじめに負けず、

生徒会で活躍できました

母よ

この年になって思い出される母の言葉

誠意の通じない相手

自分勝手な思い込みを振りかざして

力で押さえ込もうとする権力者

弱い者を追い込む卑劣漢

どの世界にもいるんですね

でも僕は負けません

母よ

「憂きことの なおこの上に 積もれかし

限りある身の 力試さん」

この詩をあなたは教えてくれた

僕のことを認めてくれたことがうれしかった

苦境に立つ度に

いつも心の中で

この生き方でいいですねと

あなたに語りかけていた気がする

母よ

大丈夫です 僕は負けません

僕を諭してくれた言葉は

あなた自身を支えていたものだと気付いています

久しぶりにあなたのことを思い出しました

僕はよく似ています

本当は泣き虫のあなたに

2017年2月25日 07:24

山田辰美 日々のまなざし

濁った水

濁った水

強く憧れ

激しく求めていたときは

独りよがりの妄想で

対象の実態を見届けられなかった

心が躍動し

恋する自分に酔っていたときは

自分の思い込みや

誇張された感情で真実(ホントのこと)が見えなかった

大きく揺らした水は

波立ち泡だって濁っているが

そのまま静かにしておくと

いつしか澄んできれいになる

焦がれ、興奮し、悩み、苦しみ、悶えても

無理をせず、逃れるでもなく

静かに待っていれば

やがて静まりこころは澄んでくる

激しく濁った水が

時を経て透き通って行くように

こころの行方を静かに見守ろう

時として何もなさず

時を待つべし

2017年2月18日 05:57

山田辰美 日々のまなざし

春一番

春一番

季節の移ろいの前に嵐が吹き荒れる

春一番だ

冬枯れした大木の梢もへし折れた

荒々しく打ち付ける風と雨

大気は揺さぶられ、木々は躍る

この先にしか穏やかな季節はないのか

厳しい寒さの中で春を待ちわびる日々

恋しい命溢れる予感

穏やかな季節はこの後に必ず廻ってくる

潮の満ちるように行きつ戻りつしながら

寄せてくる兆し

一歩づつ進んできた歩みが狂いだす

木々をへし折り、花を散らす

寒のもどり

日本中の大気を震わせ暴れる春の嵐

駄々をこねる幼子のように

何が不安なのか

何を躊躇するのか

こんなぎこちないやり方でしか

春を迎えられないのか

すべてが順風満帆には進まない

人生にも突如、嵐が吹き荒れる

その痛みや苦悩に耐えて後、

平安の時を向かえる

大丈夫、終わらない嵐はない

平穏な悟りに導くための禊の儀式なのか

ドラマティックで乱暴な季節の幕開けだ

撹乱された大地は本格的な春の訪れに加速するだろう

この荒れた天気は春一番と呼ばれる

2017年2月11日 12:32

コーナー 山田辰美 日々のまなざし

読書

現代は情報化時代だ

獲得する情報の質と量が

君の知性や教養の深さを決めるという

そのための読書だという

読書のだいご味はそこにあるのではない


本を開くのをやめられないのは

読むことが考えることに限りなく近いからだ

文字を追うことで思考のスイッチが入り

身体の血のめぐりだけでなく

頭の知のめぐりを良くするのだ


本は有能な著者が深く長く思索した成果である

本の中には知識や情報の他に

その人の思索の過程が息づいている

書き手の息遣いや鼓動が伝わってくるのだ

面白くなれば放り出せばいい

君が無我夢中になってページをくくる時

書き手のメッセージや感動が

君の心になだれ込んでくる

それは気が付くと君自身の思考や感性の

一部分となって行くんだよ


臆病な人も読書においては大胆になれる

伝染病を恐れるように頑なになることはない

未知の生き方に感染することを怖がらないことだ

むやみやたら本を手に取れとは言わない

時には見知らぬ分野を冒険するんだ

迷子になりそうになったら本を閉じたらいい


新たな発想は異教の地で育つことを忘れるな

異教の地を旅したことのない人生は

素寒貧(すかんぴん)な人生だ

異教の地を旅する読書は

多くの思考と出会い、

新しい自分を発見する旅だ

2017年2月 4日 05:36

山田辰美 日々のまなざし

ガイコツ

ガイコツ

ガイコツ、コツコツ踊ってる

腹も減らない

のど乾かない

欲望のない自由さで

くもりなき目に見えるのは

人の心のホントの気持ち

ガイコツ、カラカラ笑ってる

美貌の方もブスの娘も

スリムボディもグラマーも

中身は同じガイコツだ

肉が無ければ、見た目は同じ

ガイコツ、コツコツおんなじだ

ガイコツ、ルンルン

肉体ぐったり

眠っていても、お髭は伸びる

目くそ鼻くそ、くそしょんべん

生きた分だけ、しがらみ増えて

自意識過剰で、肩も凝る

お金持ちでも貧乏でも

いつかは同じガイコツだ

仏の悟り得たとても

焼かれりゃ同じしゃれこうべ

骨の芯までさみしさで

シンシン震えることもない

ガイコツ、コツコツ踊ってる

ガイコツ、カラカラ笑ってる

ガイコツ、じっと何見てる

まばたきもせず何見てる

この世の無常?

命の輝き?

2017年1月28日 07:21

山田辰美 日々のまなざし

「わりい子はいねーか」

鳴き叫んで鬼から逃げ惑うこども

鬼は怖い

鬼は圧倒的な力で

幼子を恐怖に陥れる

恐ろしい病気も、貧乏などの災厄も鬼の仕業だ

鬼は人を人でなしに変えて、地獄へ落とす

地獄で罰を与えるのも鬼の役目

おぞましい存在だ

疑心暗鬼な気持ちにも鬼は宿る

鬼はすぐに忍び込んでくる

誰でも鬼になることを鬼ごっこが教えてくれる

じゃんけんで負けて鬼になる

タッチされただけで鬼になる

隠れたり逃げたりしてた子が

今度は鬼になって仲間を追い掛け回す

どんないい子も鬼になってしまう

「もういいかい」って言いながら鬼はやって来る

この世にはびこる鬼は人のこころに潜んでいる

いじけて、ひねくれるこころ

ねたんで、呪うこころ

面倒くさいだとか、誰も見ていないからとか

ずるいこと、卑怯なことに誘うのは

こころの奥に棲む鬼の仕業だ

うらむな、角を溜めるな

目を吊り上げるな、眉をしかめるな

自分勝手なこころに鬼は潜んでいるぞ

いじめを見て見ぬふりをするこころ

そのこころにも鬼は隠れてる

鬼は外

鬼は外