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2016年11月

2016年11月26日 08:32

山田辰美 日々のまなざし

紅葉

紅葉

自然の中で何が起きているのか

厳しい暑さを忍び、

激しい冷え込みを受けた木々の華麗なる変貌

季節の巡りの不思議に唖然とするばかりだ

その変化にうかつにも気付かずにいた

そのメカニズムはわからなくても

過去の色や濁りをきっぱりと捨てて

秋の彩に染まる真実

陽の射す時の最も短い季節に

輝く原色の意味することは何だろう

この世のものと思えぬ深紅とイエロー

この鮮やかな彩を生むために

一体どれだけの試練が必要だったのか

数々の苦悩に耐えるほどに成熟し

ある日、鮮烈に変身する

生ぬるい生き方では

どれだけ年月を重ねても

あの彩には届かない

2016年11月19日 06:08

山田辰美 日々のまなざし

虫の声

虫の声

地面から沸き起こる無数の調べ

夕闇が静かにおりると

虫たちのシンフォニーの幕が上がる

川辺のくさはらから

そよ風に乗って届く虫の声

たたずんで耳を傾ければ

小さく大きく

低く高く共鳴して

うねりのように響き渡る愛の歌

愛を讃え、愛を求めるセレナーデ

成就したものも

叶わなかったものも

生を謳歌し高らかに鳴く虫たち

やるせないことも多いが

生きることは歓びに満ちている

結ばれたものも

ふられたものも

同じ秋の饗宴の中で

歓喜の叫びを熱唱する

やがて命尽きて共に朽ち果てる

生の営みはかくのごとく厳粛で美しい

いくつもの季節をたどり

愛と飢えの試練を乗り越え

人生の秋を迎えた

我もまた詠おう

生きることの喜びを

2016年11月12日 06:09

山田辰美 日々のまなざし

秋の一日

秋の一日

はじまりはいつも美しい

闇を黄金の光が切り裂き

紅の雲が浮かび上がる

風のない静かな朝

今日の朝焼けも感動的だ

おわりも美しい

あれほど激しい息遣いも

流した汗も

黄昏の中で平安な終わりを迎える

燃え立つような茜色が

満天に満ちて

山々を際立たせている

やがて光輝はスカイラインに溶けて

絹のように静かに落ちていく

華やかなショウのあとに

闇が永遠に支配するかに思えた


訪れた夜は一日のおわりではなかった

朝焼けも夕焼けも

この静寂と和やかな時間のためにあった

月と星に祝福された長いエピローグのはじまり

2016年11月 5日 06:06

山田辰美 日々のまなざし

お空は

お空は  (沙來ちゃん2歳2ヶ月の時)

手を伸ばしても届かない

お空はおっきい果てしない

鳥さん疲れてお休みしたよ

南の島で見た星空も

富士山で見た無辺の空も

お前と見るこの空にはかなわない

お空から聞こえるかすかな音に

「飛行機どこどこ?抱っこして」

広い空から煌く機体を探しだす

決まって僕の身体によじ登る

「あそこだ、あそこだ!」

飛行機大好き、また来たよ

音のずっと先を突き進み

どこまで行くのか飛行機は

真っ青な空に白チョーク

線を引いてる飛行機が

お空に浮かぶ楽しい雲たち

ゆっくりと流れる白い綿菓子

変幻自在に形を変える

あれはヤギ、違うよウサギ

小さいのは犬、大きいのはぞうさん

お前が大きい目をして空を差す

「あ、お月様!」

真っ青な空にうっすら浮かぶ円

昼間の月は見つけてもらって嬉しそう

今度はお空が燃えてるよ

夕焼け空の赤い火が

雲までこがして焼き芋ごろごろ

お空、だーいすき、お家に帰ろ