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土曜はごきげん土曜はごきげん

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2014年8月

2014年8月30日 14:11

アンの幸せ

 

一番幸福な日というのは

感動的なイベントに参加したり

豪華な料理でもてなされたり

ビックリするような贅沢な買い物をしたり

胸が沸き立つような出来事が起こる特別な日ではなく

真珠のネックレスの一粒、一粒のように

小さな喜びがつながっている一日一日のことだよって

アン.シャーリーは教えてくれた

 

アンは赤毛でやせっぽち、

そばかすだらけの女の子

自分の赤毛に強い劣等感をいだいていた

それだけに

自分の人としての魅力に気付いていなかった

悲しい生い立ちから愛情に飢えていたけど

強いプライドと理想をもっていた

それだけに、ずいぶん遠回りをしたけど

結局は確かな幸福をつかみ取った

アンは気づいていなかったけど

いつも一生懸命で

いつも輝いていたんだよ

2014年8月23日 09:15

本なんていらない

 

もう本なんていらない

読みきれないほどあるから

スマホもパソコンもいらない

便利なものはもういらない

全ての機能を使い切れないから

 

美味しいものを食べること

大切な人と話をしよう

信頼し合って過ごすひと時

愛し合う時間をとりもどそう

 

新しい歌はいらない

懐かしい歌があるから

覚えられないからじゃない

昔の歌の方が

心込めて歌えるから

映画もドラマもいらない

過剰な刺激や感動はもう十分だから

人生という自分の物語に目を向けたいから

 

夢中になることはひとつ

祈ることはひとつ

君の明日が幸せな一日でありますように

2014年8月16日 11:34

生命(いのち)の樹  ―学生リーダーに捧げる詩―

 

美しい川の土手に立つ大木

川面に大きな陰を落としている

それは生命輝く樹だ

川風に梢をしならせな

唸り声を上げることもあるが

いつもは強さを秘めて静かに立っている

無骨な太い根を四方に伸ばし

その樹は自分の力で立っている

 

枝に入った玉虫の幼虫には自らの材を食わせ

ゴマダラチョウには若葉を与える

塾した実には野鳥が群れ

冬に落とす大量の葉をダンゴ虫やミミズが待ち受ける

そして柔らかい肥えた土ができる

その樹は生命のつながりの中で立っている

 

その樹も初めはたった一粒の小さな種だった

小鳥が落とした糞の中から小さな生命が芽吹いた

この場所に生まれたのは偶然に過ぎない

しかし、今やここになくてはならない存在になった

多くの生き物や人がここに集まる

その樹はここで今を生きている

 

川べりに凛と立つ一本の樹

宙(おおぞら)へ伸びやかに枝を張り、

大きな陰を作っている

人々はそこに憩い安らぎ

たくさんの子どもが木登りを覚えた

その樹は誇り高き生命の木だ

2014年8月 9日 09:02

8月9日OA 水墨画

水墨画  

 

墨を真っ直ぐに立てて、硯の面を無心に滑らせる

鈍い光沢の墨がくぼみへとろりと溜まって行く

いぶされた芳醇な香りがする

筆先のしたたりをたしなめて

すばやく紙の上に運ぶ

 

筆を突き立て、抜きながら横に走る

筆を返し、跳ねる

真っ白な紙の上に浮かび上がる宇宙

 

筆に残る墨を絞り

筆を転がしてたっぷり水を含ませる

筆を寝かせ一気に撫で広げると

薄墨の面が滲んで広がる

白と漆黒の狭間に無限の表情を湛える

 

時に力強く、時に優しく

時に太く、時に細く

時に濃く、時に淡く

時に鋭く、時に滲み

時に凛として跳ね、

時にやわらかな弧を描く

 

筆を滑らせる心地よさ

表現する気負いも気恥ずかしさも忘れ

隠しきれない快感

 

紙は墨と水を受け取り

微妙な滲みを展開し広い山河を表す

墨の濃淡は意味ある造形となり

浮き上がり、うごめく生き物となる

 

戻ることのできない刹那の芸術

気を込めて瞬間と格闘する

2014年8月 2日 08:42

H26 8月2日OA 手もみ茶

手もみ茶

 

一心に摘んで一針二葉

一心に揉んで一番茶

山の茶葉は薄くて柔らかい

 

しおしおした茶葉を

大きく大胆に揉む

淡い緑から水気を飛ばし

揉みに揉んで

旨みを揉みだす

 

やがて小さくやさしく揉み

旨みを閉じ込める

柔らかく揉み切り

焙炉(ほいろ)にばらばらと踊る茶葉

針のように細く

深い緑に

 

白い椀の中でほどけていく茶葉は

摘み取った時の色と形に戻っていく

茶畑を撫でる薫風のように

湯気から立ち込める香り

一心にやさしく

一心にさわやか