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土曜はごきげん土曜はごきげん

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2014年6月

2014年6月26日 13:07

山田辰美 日々のまなざし

H26 6月28日OA ハンカチ

ハンカチ

 

疲れた

へとへとだ

ぼろ雑巾のようだ

 

無我夢中になって取り組んだ

出来の如何については

自信はないが

めいっぱいやった

評価なんて気にしていない

存分にやるだけだ

 

やれることはやり切った

人のために良く働いた

喜んでくれることがうれしい

やりがいを感じる

心地よい疲れだ

 

ポケットから取り出したハンカチは

くしゃくしゃになっている

手を拭き、汗をぬぐっているうちに

折り目も輝きも失っている

開いた花が萎れるように

くったりとうずくまるハンカチ

 

お疲れ様

お前もやり切った

手洗いしてアイロンをかければ

しゃきっとしたお前に蘇る

 

お風呂とビールで

俺もやる気が蘇る

お疲れ様って

 

2014年6月19日 16:31

山田辰美 日々のまなざし

H26 6月21日OA オタクサ

オタクサ

  

梅雨の季節を可憐に染める花、紫陽花

手毬のような花房が

山裾の木陰の中からこぼれ出す

 

里山に自生する日本固有の花、紫陽花

世界のプランツハンターが求めたエキゾティックな花

オランダで命名されたあじさい花

学名はハイドロベア アタクサ

 

品種改良され逆輸入された豪華な紫陽花は

日本の里山を彩っていた花の子孫たち

世界中で愛されるお前たちを産みだした紫陽花の

秘められた物語を聞かせよう

 

突然日本を追われた博物学者シーボルト

日本に残した恋人と子どもを忘れられない

彼女の名はお滝さん

凛とした気丈な女性は独りで娘を育てている

彼女の好んだ花は紫陽花

シーボルトはその花の学名に愛おしい名前を忍ばせた

 

オタクサの意味に気付いた植物学者

植物の学名に恋人の名前を使ったことに

憤慨した学者先生も

本当はうらやましかったに違いない

 

そんな出会い、そんな別れ

そんな想いの込められた日本の花

紫陽花は梅雨に濡れて一層彩りを深める

2014年6月14日 08:56

山田辰美 日々のまなざし

H26 6月14日OA 文(ふみ) オトシブミ

文(ふみ)  オトシブミ

 

一筆啓上つかまつり候

長い文章や

しゃれた言葉は書けないけれど

お前にこの想いを届けたい

 

瑞々しいクヌギの若葉が

そのまま便りになる

切って、巻いて

きれいにたたんで

巻き文にして大地に落とす

うまいもんでしょう

何しろ大事な手紙だ

 

したためたメッセージは

人生で一番大切なこと

食うことと

生きている歓びを忘れるなってこと

この森のお蔭で生きられる

土や雨がこの世界を支えてくれる

 

一筆啓上つかまつり候

返信なんていらないよ

宛名はいつでもまだ見ぬお前

ノックオンザフューチャー

未来のお前に伝えたい

その時は俺はこの世にいない

 

一筆啓上つかまつり候

この文は俺たちの生きた証しだ

一番読んで欲しい相手は

この文の中に産み落としたわが子だ

愛おしい最愛の存在

お前にこの森の恵みを届けよう

それが「落とし文」だ

2014年6月 7日 08:56

山田辰美 日々のまなざし

H26 6月7日OA ペイフォワード

ペイフォワード

 

ペイフォワード

喜んでくれてありがとう

他者に善意を伝えること

誰かに親切な施しをすること

そのことで自分の心が晴れやかになるのが分かるだろ

 

ペイフォワード

人は誰かのためになりたい

そのことに気付いていない人も多くいるけど

見返りを期待しないで人に尽くすことはむずかしいかい

大丈夫、やってごらん

 

ペイフォワード

生きている歓びはどこから感じるの

自分の夢や目標を目指して人は生きている

そこから達成感や充実感は生まれる

そう思って生きていた

でも自分の欲望から返って来るものは

満たされない想いや飢餓感ばかりだ

 

ペイフォワード

他者への奉仕、無償の善意

相手に何も求めない

ひとの喜びを自分の喜びとする

ひとの嬉しそうな表情が自分の心を晴れやかにする

清々しい想いが心を満たし始める

生きている証しは周りの人たちの喜ぶ顔だ

それが生きる歓びになる

 

ペイフォワード

喜んでもらってなんぼの人生

求めるのではなく求められことの歓び

尽くされるのではなく尽くすことの歓び

喜んでくれてありがとう

それが嬉しい

それが幸せ

 

2014年6月 3日 10:50

山田辰美 日々のまなざし

H26 5月31日OA カマキリ

カマキリ

 

情け容赦もなく襲いかかる

躊躇なんて全くない

あくまでクールに狩りをする

無駄な動きはなく一瞬に獲物を仕留めるのさ

おいらはカマキリ、ゴルゴサーティ

 

恐ろしい鎌を振りあげるポーズは

見栄を切る歌舞伎役者のようだ

獲物を見据えた三角の目は

シュワちゃんのサングラスのようにクールだろ

表情を変えず、殺戮を繰り返す

おいらはカマキリ、ゴルゴサーティ

 

優雅に鎌を振りかざすのは

神に祈りを捧げるようだと誰かが言った

名前も知らぬ獲物の供養にと

アラーの神に祈るのさ、

「いただきます」と、クールに

「俺たちを生に駆り立てるもの

それは 愛と飢えだ」

 

飢えを満たしたおれは

太った雌カマキリにたちまち恋に落ちた

愛が何かなんて知らないが

雌を焦がれる想いは強烈だ

大きな雌の後ろからがむしゃらに迫り

みごとに契をむすんだ

どくどくと精子を送り込むその最中に

雌は振り返り、おれの頭をかじりだした

おれの意識は瞬く間に遠のいたけど

雌がにっと微笑んだのに気が付いたさ

良かった、嬉しいよ

「お前は俺の子どもの母親になるんだ」

その歓喜の叫びは言葉にならなかった

おいらはカマキリ、ゴルゴサーティ、

クールだろ