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2014年5月

2014年5月24日 09:18

山田辰美 日々のまなざし

H26 5月24日OA 全ては同じドングリ

全ては同じドングリ

 

秋の里山に無数にころがっているドングリ

足の踏み場もないほどたくさんのドングリ

そのひとつひとつが根を出し、芽をふき

そのひとつひとつが根を張り、芽をのばし

やがてドングリの木となる力を持っている

大木へと育つ限りない可能性を秘めている

 

母樹の梢からぱらぱらと落ちて

幾千幾万のドングリが大地にころがっている

ころころ、ころがってどこに辿りつくのか

辿り着いた場所で運命は変わる

半分はゾウムシたちに食べられて死ぬ

残りの半分は鼠たちが運び去り餌となる

またその残りもリスやカケスがくわえて運んで行った

 

どれだけのドングリが生き残るのだろう

十年二十年、さらに百年生きて

巨木となってこの森の生き物たちの生を支えるようになる

選ばれしドングリは何が違うのか

実力に差があったのか

いや、同じ小さなドングリに過ぎなかったはずだ

宿命なのか

いや、偶然に過ぎないはずだ

 

巨木となるドングリは数個に過ぎない

あるドングリはそのまま虫や動物の餌となり

彼らの冬越しを支えた

またあるドングリは腐植となって大地に還り

木々の成長を促した

この森を支えたのは巨木となるドングリだけでない

 

そうとも

数限りないドングリのすべては

自然の掟の中にある

すべては同じ

この世界の深い理の中にある

2014年5月16日 19:07

山田辰美 日々のまなざし

H26 5月10日OA 母よ

母よ

 

母よ

中一の時

「逆境に負けるな

忍耐は無駄ではない

高潔な志を持ちなさい」

をう僕に教えてくれましたね

僕はいじめに負けず、生徒会で活躍できました

 

母よ

この年になって思い出すとは、その言葉を

誠意の通じない相手

自分勝手な思い込みをかざして

力で抑え込もうとするやり方

弱い者をいじめる卑劣漢

どの世界にもいるんですね

でも僕は負けません

 

母よ

あなたが教えてくれた詩

「憂きことの なおこの上に 積もれかし

 限りある身の 力試さん」

この詩の意味を説くあなたのことを想い出しました

何より僕のことを認めてくれたことがうれしかった

苦境に立つ度に

いつも心の中で

この生き方でいいですねと

あなたに語りかけていた気がする

 

母よ

大丈夫です 僕は負けません

僕を諭してくれた言葉は

あなた自身に言い聞かせていたことなのだと気付いています

久しぶりにあなたの支えが欲しかったようです

僕はよく似ています

本当は泣き虫のあなたに

2014年5月 8日 15:55

山田辰美 日々のまなざし

H26 5月3日OA 蟻地獄

蟻地獄(ウスバカゲロウ)

 

お前は地獄を見たことがあるかい

もがけばもがくほど

足元が崩れ

あがけばあがくほど

すがり付く地面ごと

奈落に落ちていく

 

奈落に潜む醜い化け物

地の闇に住むオレ様だ

悪魔のような

大あごで獲物を食いちぎる

容赦はしない

 

オレの正体を見た奴は

必ず死んでもらう

怠け者のエゴイストや嘘つきが地獄に落ちるとは限らない

正直者の働き者のアリが

よく地獄に落ちるのさ

 

未熟な頃はなりふり構わず

無様な生き様だったさ

美しい天女に憧れて

乙女のように夢を見ながら

牙を研ぐのさ

信じなくても構わない

ウスラバカだ、ゲロウだと笑えばいい

 

自分だって信じられないさ

醜いあひるの子のように

無様な姿のオレ様が

地獄の似合うオレ様が

血塗られた半生の果てに

薄絹のような羽をまとい

お日様の光を浴びて

煌めきながら空をまうなんて