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2014年3月

2014年3月29日 09:06

山田辰美 日々のまなざし

H26 3月29日OA 春だよ

 春だよ

 

冬枯れした枝先から

たくさんの花房が吹き出した

辺り一帯が柔らかな春色に包まれる瞬間

 

木枯らしにさらされた幹や

四方に伸びた枝が

寒々としたシルエットを見せていた

 

春はまだなの

みんな待っていたんだよ

ごつごつした根っこで大地の目覚めを感じ

暗い内部を駆け抜けて春がほとばしり出た

堅く閉ざしていた蕾が息を合わせて

一気に開き始めた

 

春だよ

春だよ

淡い彩りで美しく

きっぱりと凛々しく

桜の花が咲いたよ

 

2014年3月22日 11:18

山田辰美 日々のまなざし

H26 3月22日OA 音楽

音楽

 

お前は何を聞いているの

泣かないで耳を傾けてごらん

ママのあやす声

お姉ちゃんの元気な笑い声

テレビの音はうるさいね

 

あふれる光と音に驚いているの

産まれた前の

ママの胎内にいた時から

音に包まれていたんだね

 

この世界はたくさんの音に満ちている

風のさやけき

小鳥のさえずり

秋の虫の声

お前には貝殻を入れたビンをあげよう

 

人には音楽という楽しみがある

音を出すこと

そして歌うこと

 

お姉ちゃんは太鼓が好き

歌も大好き

お前もきっとすぐに歌いだす

だって僕の歌声に

泣くのを止めてじっと聞き入るから

 

2014年3月21日 14:22

山田辰美 日々のまなざし

H26 3月8日OA かさぶた

かさぶた

 

今夜も鬱々とひとり

あの頃の想いに沈んでいく

かさぶたをとることに夢中になる子どものように

傷口をかきむしる

鮮血を噴き出させる

痛がゆい想いを吹き払おうとするように

 

苦しみの記憶が冷え固まり

かさぶたとなってほろりと脱落する

だからまた、かさぶたをめくってしまう。

開いた傷から鮮やかな血液があふれ出るのを

飽きずに眺める

傷口を圧迫しそっと離すと

時を置いて静かに染み出る血液

止むことのない思い出を

楽しんでいるのかもしれない

 

今更誰に恨みつらみなどないが

思うに任せない人生の綾

時のいたずらか

仕方なかったという諦観と

未練のやるせなさ

すでに悲しい訳でもなく

淋しい訳でもない

行き場を失った気分が

どこかで疼いて、かさぶたを形成する

 

傷をなくすには放っておくのが一番と

わかっているのに

また、かさぶたをめくる遊びに

興じている

無邪気な子どものように