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2014年1月

2014年1月25日 09:08

山田辰美 日々のまなざし

H26 1月25日OA みずの存在

みずの存在

 

透明な湿り気から

煙のような雲が沸き立つ

小さな小さな分子が凝集して

目に見えないほどの粒となる

粒はさらに集まり

雫となってこぼれ落ちる

 

蓮の葉に落ちた雫は玉となって

転がり跳ねる

勢い余って水面に落ちる

玉の衝撃で発生した波は

幾重にも輪を描き出す

 

岸辺にたどり着いた波は

砕けてしぶきになる

寄せては返し

寄せては返す繰り返しで

水際は縁どられる

 

掌ですくうと

指の隙間から洩れていく

手でつかもうとしても

かすかな手応えだけで逃れていく

つかむこともつなぎとめることもできない

 

しぶきを上げてと飛び込むと

拒否するでもなく

私を柔らかくつつむ

羊水のようにつつみこむ

身体の隅々までしみてくる

 

小さくて大きい

冷たくて温かい

歌を歌い

光り輝く

限りなく自由な存在

2014年1月18日 08:55

山田辰美 日々のまなざし

H25 1月18日OA できないこと

できないこと

 

できないことがある

悔しい

情けなく思う

とことん打ちのめされる

 

でも、できないから

一生懸命になる

できないから

やるしかない

 

できないことを

できるようにすることが

一番爽快なことだ

できるようになった自分を感じるとき

自分を誇らしげに思う

 

そうだ、できない自分は

可能性に満ちている

まだm打自分は変わっていける

本来の自分は

どんな自分になっているだろう

 

これまでもそうだった

これからもそうにちがいない

 

2014年1月15日 11:12

山田辰美 日々のまなざし

H25 1月11日OA しなやかに

しなやかに

 

音もなくしのび歩く

いつの間にかそばに来て

いつの間にかいなくなる

 

目が合うとじっと見据え

相手の目の奥をうかがい

視線をはずしたかと思うと

しなやかに跳躍する

 

表情を変えず

辺りを一瞥して

さっさと移動し

気に入った場所で

無防備に居眠りを始める

柔らかな毛並みが

寝息で揺れている

 

すくっと起き上がり

全身でのびやかに欠伸をする

あどけないふるまいに何の警戒心もない

それでいて

手の先には透き通った鉤爪がのぞき

開いた口には鋭い獣の歯がならぶ

 

しなやかで敏捷な野生の身のこなしと

眠りから抜け出せない怠惰なしぐさ

気位の高い鋭い眼差しと

じゃれついてくる無邪気さ

見守るぼくを翻弄させ

音もなく姿を消す

お前の名はねこ

2014年1月 4日 08:40

山田辰美 日々のまなざし

H26 1月4日OA はじめて

はじめて

 

今日という日が過ぎていく

夜が明ければ過去になるけど

何でもよく覚えている

その記憶は明日への期待へと膨らむ

 

目覚めたお前は布団から飛び出し

かっぱ顔で駆けてくる

今日という未知との出会いにわくわくしてる

知りたがり屋さん

この世界ははじめてがいっぱいだよ

 

お注射や自転車で転ぶと痛いこと

鬼さんや天狗さんが怒ると怖いこと

嫌なこともたくさん増えたね

子どもにとって始めては宝物

怖いこと以上に何でも見たい

何でも触ってみたい 

 

大人になることは臆病になることじゃない

感性に鍵をかけないで

心躍る初めてを見つけよう

美しいもの、不思議なもの、かわいいもの

びっくりときめくのが嬉しいね

人生ははじめてがいっぱいだよ

2014年1月 3日 13:37

山田辰美 日々のまなざし

H25 12月28日OA おーい老い

おーい老い

 

おーい老い

自分に訪れた老い

とっくに気づいていたさ

知らんぷりしてたけど

 

おーい老い

白髪が多くなった時かな

近くの物が見えにくくなった時かな

眉や鼻毛に異常に太い毛を見つけた時かな

お前が俺の中でどっかり腰を下ろした

 

おーい老い

俺にはまだやりたいことがある

夢は掘り出したお芋のようにずっしと重く

幾つも繋がって育っているんだ

 

おーい老い

ションベンの勢いは衰えても

手負いの獣の猛々しさだってある

老いらくの恋に身を焦がすこともあるかも知れぬ

美味しい物にも出会いたい

これじゃ、心静かな老いの境地には遠いぞ老い

 

おーい老い

諦観(あきらめ)と執着(こだわり)の狭間で

無我夢中で生きていく

まごまごするな

おいおい老い