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2013年10月

2013年10月26日 08:39

山田辰美 日々のまなざし

H25 10月26日OA 放射能

放射能

 

科学者は人類をどこに連れて行くのか

―その純粋な好奇心で

放射能を発見した科学者は未来を何も知らなかった

 

ダイナマイトで巨万の富を築いたノーベルは

人類の幸福を願ってノーベル賞を設立した

しかし、孤独と裏切りの中で此の世を去った

 

ノーベル賞に輝いたキュリー夫人もまた

新発見への飽くなき情熱と人類への善意に満ちていた

心優しいママさん科学者が原子力の扉を開いたのだ

「自分が人の役に立っていると実感したい」

そう願っていただけだ

 

見えないエネルギー、放射能

一旦爆発するとエネルギーの尽きるまで

近づくこともコントロールすることもできない

放射線という不思議な現象は

ほんの小さな偶然から発見された

原子の力を明らかにしたキュリー夫人もその未来を知らなかった

この発見が世界観を変え

科学を革新的に変えていったのに

 

母さんの喉頭癌の治療にも使われていた放射線

肉体の内部を投影するレントゲン撮影も放射線

医療への応用は人類が放射能を支配できた証拠なのか

化粧品や飲み水にまで添加されたことのあるラジウム

今だってラジウム温泉がある

有用性のある物質は、同時にあんなにも危ういものだった

 

科学技術が人類に大きな発展をもたらした20世紀

科学者の生真面目な探究心は人類に幸福を与えただけではない

科学技術は国家の思惑に翻弄された

戦車、戦闘機、爆弾や毒ガス

科学が戦争の勝者を決めるようになったのだ

そして第二次世界大戦は、遂に原爆を生み出した

 

僕らは焦土と化した敗戦の国土を忘れない

日本は原爆の恐ろしさを実感する唯一の国

被爆国で進められてきた平和利用としての原子力

これも国家の思惑だったのか

科学者は3・11をどう思っているのか

東日本の惨状を、そして、日本の未来をどう考えるのか

科学はそして科学者は

人類をどこに連れて行くのか

2013年10月19日 08:45

山田辰美 日々のまなざし

H25 10月19日OA 眼差しの先

眼差しの先(羽夏、生後1ヶ月)

 

お前は何を見てるの

黒目がちな眼差しを宙に向けて

ベッドの上でひとり

時折顔を動かしている

目を凝らし何かを見てる

手を伸ばして

何かを探している

 

生後一ヶ月の君には

この世界はどんな風に見えているの

まだ明るさしか感じないの

この世界はどんな色かな

じっと何かを見つめてる

何が見えてるの

この世界をもっと知りたいんだね

 

近づいた僕に顔を向けて笑った

僕のことが分かるみたいに

ママのことは優しい声で分かるの

ぬくもりで分かるの

触れただけで、すぐ泣き止むね

パパやおねえちゃんは分かるの

いつでも君を守ってくれる家族だよ

でも世界にはもっとたくさんの人間がいる

 

窓の外には蝶も小鳥もいる

川の流れの中にも草むらの中にも生き物が潜んでいる

早く一緒にお外に行こうよ

お前の眼差しは何に向けられるだろう

白いのはヤギ、黒いのは馬

川面のキラメキ、広がる青空

おねえちゃんはアリさんが好き

振り返っても風は見えないよ

お前は何が見たいの

2013年10月16日 15:43

山田辰美 日々のまなざし

H25 1012日OA 彼岸花

彼岸花

 

真っ青な空に

黄金色の稲穂

そして真っ赤な花

それが彼岸花の風景

 

頭を垂れ始めた稲

深い緑から黄金色へと明るく色づき始めた

収穫を間近に控えた田んぼの畦に

現れた無数のつぼみ

見る間に伸びて鮮やかな花を広げる

 

約束を違えず

この季節に真っ赤に咲き誇る

百姓の営みに歩調を合わせたような

棚田に現れた真紅の帯

艶やかな蝶たちが祝福に訪れる

カマキリは花園で祈りのポーズを捧げる

 

一枚一枚の棚田が豪華に縁どられ

見渡す限りの棚田の風景が

見事なハーモニーを奏でている

 

この花は実を結ばない

全草毒を含む

開花の時は、葉が現れない

実りの秋の徒花(あだばな)

謎を秘めた不思議な存在感

百姓はみんなこの花が好きだ

 

 

2013年10月 5日 08:39

山田辰美 日々のまなざし

H25 10月5日OA 泡を吐く波

泡を吐く波

 

寄せては返す哀しみ

果てしなく打ち寄せる思い出

緑を抜けてあの入江に出た

転石海岸に立ち

想いをめぐらす

足元で波が躍る

 

どうすればよいか

何をなすべきか

何をなさざるべきか

答えが見えてこない

激しく砕けたかと思うと

岩間に閉じ込められ

さまよう波

 

想いは乱れ

うずまき

泡を吐き

行き場を失った波の数々