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2012年5月

2012年5月26日 07:53

山田辰美 日々のまなざし

5月26日OA 毛虫の大群

毛虫の大群

 

毛虫が毛虫をのり越えて行く

もこもこ、もこもこ何でものり越えて進む

しむしむ、しむしむ葉っぱを食べて

膨れ上がって行く虫の群

何千何万の毛虫の来襲だ

 

樹齢50年の大桜で発生した毛虫たちは

数千枚もあった若葉を食いつくし

桜の木を丸裸にした

そこだけ冬に逆戻りだ

 

青っぽい奴、赤っぽい奴

小さいのは黒っぽい

雄雌、大小入り乱れて

土手の並木を大進軍だ

たいていは食いまくっているが

中には動かずお昼寝してる奴もいる

食いすぎて消化が追い付かないのだ

 

植物は食われてもかじられても

悲鳴も上げず

涼しげに葉をそよがしている

せっかくの新芽が

毛もくじゃらの輩に襲われている

圧倒的な数に腹が立って

指先で摘み上げる

ものうげに全身をのけぞらせる毛虫

道にたたきつけて踏み潰す

 

もう何百匹殺しただろう

もこもこ、もこもこ湧きだす毛虫

だれか一緒に戦ってくれ

とげとげした毛は見かけ倒しだ

鳥たちも、ご馳走の山に見向きもしない

もこもこ、もこもこ

地上の緑が食いつくされてしまうぞ

2012年5月18日 23:50

山田辰美 日々のまなざし

5月19日OA 紙風船

紙風船

 

落ちてきたら

今度はもっと高く

もっと強く

飛ばしてあげる

 

ゆらゆら儚げに落ちて

また打ち上がる

あどけない遊び

いつまでも続くよ

 

日本海の村で

作られた紙風船

良寛も無邪気に打っただろう

陽に透かすと

ステンドグラスのように美しい

 

儚いのに

美しい

懐かしい紙風船

2012年5月11日 21:01

山田辰美 日々のまなざし

5月12日OA 魔法の黒

魔法の黒

 

炭の熱は柔らかい

身体を芯から温めてくれる

燃え盛る焚火の暖とは違う

冷え切った足から全身を暖ためる掘りごたつ

秋刀魚をおいしく焼き上げるのも炭の火

秋刀魚の油が七輪に落ちて煙をあげる

火鉢の鉄瓶からも白い湯気が上がっていた

懐かしいやさしい温かさ

 

炭は世界最古のバイオエネルギー

焚火の後の燃えカスの中から

先人はもう1つの火を見つけたのだ

真っ黒で軽い炭から出る火

それは長持ちし火力をコントロールでき

灰にくるんで運び出せる火

炭はそこだけほっこりと温める

火鉢やこたつ、省エネの優等生

 

火は文明の源だった

人は火を使うことで文明と文化を手に入れた

鉄を打ち、多様な食を産んだのも火の力

しかし、文明は火や樹を浪費し森を酷使した

四代文明は砂漠やはげ山となり消えた

 

炭は身近な里山で産みだされる

雑木林の樹木は伐られても蘇る

萌芽更新という魔法で里山は元気でいる

薪や炭(バイオマス)は大気中の温暖化ガスを増やさない

カーボンニュートラルという魔法で再生可能だ

水を浄め、空気を浄める炭の新しい魔法

大地をも浄化する炭

人の暮らしをナチュラルに変える不思議な力

懐かしくて新しい黒

魔法の黒

2012年5月 5日 07:39

山田辰美 日々のまなざし

5月5日OA 泪は水

涙は水

 

涙は水だからきれいだね

心を満たす想いが溢れ出す

水だからしずくになってこぼれる

水だから大きな流れとなって迸ることもある

水だからやがて乾いてしまう

水だから何も残らない

哀しみを忘れることができる

 

涙は水だから心が傾けばこぼれてしまう

水面が揺れるように心も揺れる

水だから投げ込まれた感動に溢れ出す

水だから悲しみだけじゃなく歓びも

水だからそっと拭ってあげたい

水だからやがて蒸発して空に飛んで行く

空を見上げればもうこぼれない

 

涙は水だから満々と湛えて

心がきれいに映りこむんだ

水だから透きとおっている

水だから瞳を輝やかせる

水だから嘘はつけない

水だから音もなく流れる

涙は水だから不思議や神秘に満ちている

水がぼくらの命を支えるように

涙は水だから人の心を清めてくれる