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家族の軌跡~ダウン症の次男との10年(1)誕生

(2017/11/21 11:00)
母大村由実さんと並んで小学校から下校する剛輝君(左)=10月下旬、浜松市北区
母大村由実さんと並んで小学校から下校する剛輝君(左)=10月下旬、浜松市北区

 浜松市北区の一家がダウン症の次男を授かって10年。名前は剛輝(ごうき)。「生まれたばかりの頃はこの子の未来を何一つ描けず、絶望感でいっぱいだった」。母の大村由実(52)は振り返る。剛輝は今春、浜松視覚特別支援学校から地元の公立小の特別支援学級に転校した。楽しそうに通学する息子を見守りながら、由実は思う。「彼の誕生は、家族にとって第2章の幕開けだった」
 2006年の暮れ、大村家は第3子の妊娠に沸いていた。当時41歳の由実と47歳の昌良夫妻は、自宅新築の最中だった。
 由実はもともと劇団員。小中学校や劇場を回って1人芝居をしていた。昌良は市民オペラ合唱団の団長で、本業は半導体開発エンジニア。昌良が由実の芝居を見に行き、知り合った。
 大きな家を建て、人が集えるホールも備える。それが2人の夢だった。由実が芝居のために集めていた絵本も並べて貸し出そうと、ホールの名前は「えほん文庫」と決めた。
 工事が始まる少し前、当時小学1年の長女真由帆と年少園児の長男晃央(あきひろ)は連れ立って、何度も「下の子が欲しい」とせがんだ。由実は真由帆を産む前、流産で3人の命を失っていた。それだけに、もう1人育てたい気持ちは強かった。「40歳を過ぎたので、3人目を授かるなら今かな」
 07年8月、剛輝が生まれた。「おぎゃー」と産声を上げるわが子の顔を見た瞬間、由実は「あれ?」と違和感を抱いた。なぜか分からないが、上の2人にはふつふつと湧いた「かわいい」という感情が湧かなかった。
 

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