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再考「添加茶」 選ぶのは私たち(3)給食 和食には緑茶が「普通」

(2017/8/31 11:00)
水出し緑茶を飲みながら、給食を食べる子どもたち=24日、富士市の中里保育園
水出し緑茶を飲みながら、給食を食べる子どもたち=24日、富士市の中里保育園

 窓の外に、なだらかな茶畑が広がる。コップを手にした園児が、給水サーバーから水出し緑茶を注ぐ。たっぷりついだ緑茶がこぼれないよう、そろりそろりと席に向かう。
 中里保育園(富士市)は給食が自慢だ。この日の献立は、肉じゃがに小松菜のあえ物、トマト。ご飯は各自が持参する。子どもたちはごくごくと緑茶を飲みながら、次々と平らげていった。
 同園は、副食材料の野菜、肉、魚、だし、牛乳を、それぞれ専門店から調達している。薄味でおいしさを引き出すために、だしには特にこだわる。素材の味や栄養、彩りを逃がさず、蒸したり炒めたりとあらゆる調理ができるオーブンも、率先して導入した。
 「特別な食事を提供したいわけじゃない」と青野貴芳園長(47)。しかし、「普通の食事が難しい世の中になっている」と感じることがある。
 保育士が園児に「家で何を食べたか」と尋ねると、夜も朝もファストフード店の食事だったという答えが返ってくる。朝ご飯を食べていない子もいる。そういった子は少数派だが、だからこそ給食は、栄養バランスの取れた「普通の家庭の味」に触れる機会にしたいと考える。
 副食が和食なら、水出し緑茶を出す。カフェインを気にして緑茶の提供をやめる園がある中で、茶どころに生まれ育った子どもたちには「それが普通」だから。水出し緑茶は低カフェインが特徴。色と味がほんのり付いた程度まで薄め、3歳児以上に提供している。
 青野園長も職員も、県の製茶指導取締条例廃止方針のニュースを見聞きするまで、県産茶葉への添加が原則禁止されているとは知らなかった。緑茶は当然、天然で無添加の飲み物だと思っていたので、産地を意識することもなかった。
 もともと「県産」の水出し緑茶を使っていたが、今年から仕入れ先が替わり、「国産」と表示された国内大手メーカー製になった。しかし条例の存在を知って、産地が気になり始めた。「味覚が発達段階で敏感な子どもたちにこそ、天然自然の安心安全なお茶を飲ませたい」。多様な商品が出回る今、改めてその意を強くした。

 <メモ>県は2016年12月、県内の全小中学生が緑茶に親しむよう促す静岡茶愛飲条例を制定した。学校設置者や茶業関係者の協力を求め、各校に茶葉の提供などを進めていく。保育園や幼稚園、認定こども園での緑茶の提供は、地域や園によってさまざま。毎日の給食で葉で入れた茶をやかんで出す園もあれば、麦茶に限っている園もある。

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