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山里「玄関口」奮闘10年 静岡・水見色きらく市

(2018/9/13 11:00)
看板商品を手に、設立からの日々を振り返る勝山啓子代表理事(右)ら=8月上旬、静岡市葵区水見色の水見色きらく市
看板商品を手に、設立からの日々を振り返る勝山啓子代表理事(右)ら=8月上旬、静岡市葵区水見色の水見色きらく市

 静岡市葵区の山あいにある農産物加工販売所「水見色きらく市」が今秋、設立から10年目を迎える。めぼしい観光施設が少ない水見色地区にとって、山里の豊かさと人の温かさこそがかけがえのない資源。「人が人を呼ぶ」をモットーに、住民と訪問者をつなぐ交流拠点にしようと、地元の女性たちが奮闘を続けている。
 きらく市は2009年、同地区の女性農家16人が集まって開設した。施設名には「気楽にやろう」との思いを込めた。しかし、山間部の施設に継続して人を呼ぶのは簡単ではなかった。
 交流人口を増やすために力を注いだのは看板商品作り。特に、生芋から手作りしたこんにゃくを使った唐揚げやコロッケ、ソーセージは、野菜たっぷりのがんもどきとともに自慢の逸品。手間を惜しまず、体に優しくておいしい食べ物にこだわった。同市内で出張販売も行っている。
 地域の豊かな自然を生かし、幼児や小学生向けにホタル観賞や茶摘み、川遊びなどの里山体験イベントも企画して集客力を高めた。
 ただ、過疎が進む山間部の悩みは水見色地区も同じ。開設当初のスタッフは高齢化や家族の介護などで徐々に減り、現在も運営に携わるのは8人。新たに移住した女性や地区外の女性が加わり、計11人で切り盛りする。一人一人の得意分野を生かしながら効率的な働き方を追求し、経営を維持している。16年には企業組合の法人格を取得し、組織の継続を図っている。
 設立時からのスタッフ中川光枝さん(66)は「出張販売の日は早朝から準備する。年を取ってだいぶ大変になってきたけど、待っててくれる人がいるから」と精を出す。
 女性たちの奮闘は少しずつ、良い流れを生み始めた。3年ほど前から、地区内には週末だけ営業するカレー店をはじめ、ピザ店やカフェ、ドッグラン施設などが相次ぎオープンした。勝山啓子代表理事(58)は「きらく市は水見色の玄関口。山里の暮らしと環境を次世代につなぐため、できることをやっていきたい」と話す。

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