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看護師復職を独自に支援 袋井の診療所が研修

(2018/7/28 11:00)
研修を受けた野中香織さん(左)。復職後も看護師同士で採血練習などに取り組む=7月上旬、袋井市浅岡の溝口ファミリークリニック
研修を受けた野中香織さん(左)。復職後も看護師同士で採血練習などに取り組む=7月上旬、袋井市浅岡の溝口ファミリークリニック

 結婚や出産で離職した「潜在看護師」を対象に、袋井市浅岡の内科や小児科などの診療所「溝口ファミリークリニック」(溝口哲弘院長)が、独自の研修を行う「復職支援プロジェクト」を企画し、今夏から受講者が復職し始めた。復職を考えている看護師の不安を軽減し、地域医療の担い手を増やすのが狙い。業界全体が人手不足に悩む中、公的機関の支援とは別に、診療所の仕事内容に合わせたきめ細やかな研修内容で人材確保に取り組む。
 企画のきっかけは、同診療所で復職した看護師の「子育てとの両立や技能のブランクから復職を迷っていた」という声。復職支援事業は県看護協会が運営する「県ナースセンター」も各地で実施するが、総合病院などで勤務経験があっても診療所の仕事内容を知らない人に、雇用のミスマッチ防止にも役立ててもらおうと、今年4月、独自の研修を始めた。復職の意思が明確でなくても、同クリニックに就職しなくても受講できる。
 研修は約3時間。院内見学、採血練習、電子カルテの操作など。個別の要望や不安に同院スタッフが応じるランチ懇談も設けた。希望者には研修費を支給する追加研修も行う。
 初の復職者は、2児の母の野中香織さん(41)。子育てに専念するために10年前に大規模病院を退職した。復職は未定だったが、「月2回の勤務も可能」という柔軟な働き方に引かれて受講し、同クリニックで6月から週に1回働き始めた。「研修で技術の勘が戻ったことが復職の一つのきっかけになった」と話す。
 短時間勤務者であってもスタッフが増えることで、他の看護師が有給休暇を取得しやすくなるなど職場全体の働きやすさにもつながっている。溝口院長は「潜在看護師が復職の第一歩を踏み出す応援をしたい」と意欲を示し、同様の研修が他施設に広がることも期待する。

 <メモ>医療機関などによる都道府県への届け出の2016年集計結果によると、人口10万人当たりの常勤の看護職員(看護師や准看護師など)の数は、本県は976.8人で、全国40位。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる25年には全国で3万~13万人が不足するとされ、復職支援は喫緊の課題となっている。
 日本医師会総合政策研究機構(東京都)が17年、全国の医療機関を対象に行った抽出調査では、潜在看護職員向け復職支援プログラムが「ある」と回答したのは844施設のうちの2割弱だった。溝口ファミリークリニックのような無床診療所では122施設中、1施設だった。

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