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磐田のウナギ老舗 母娘3人、のれん守る

(2018/7/21 11:00)
母娘3人で店を切り盛りする中村屋=20日午前、磐田市
母娘3人で店を切り盛りする中村屋=20日午前、磐田市

 次女がさばいたウナギを母が焼き、長女が接客する―。今年創業70年のうなぎ料理店「中村屋」(磐田市駒場)は、母娘3人でのれんを守り続けている。「さばきたて、焼きたて」にこだわる伝統の味に、世代を超えて足を運ぶ常連客は多い。「土用の丑(うし)」の20日も店は大忙し。開店前から3人がせわしなく動き回っていた。
 「食べる直前にさばいたウナギが一番おいしい」。次女の岩本奈美さん(38)は、来店客の注文を受けてから1尾ずつ丁寧に包丁を入れる。背開きしたウナギは、母の仲村幸子さん(67)が担当する焼き台の上へ。こだわりの炭火でじっくり焼き上げた後、長女の岩本亜紀さん(42)が盛り付けて客に運ぶ。
 店によって東西が分かれる焼き方の形式にはこだわらない。焼く前に蒸す関東風、蒸さずに焼く関西風―。ウナギの状態に合わせ、より良い方を選ぶ。奈美さんは「どちらが良いかはウナギを見れば分かる。結果的においしければいい」と言う。
 1948年創業。順調だった店の経営は、92年に2代目清重さんの死去で一変した。大黒柱を失った妻の幸子さんは閉店も考えたが、常連客らの後押しも受けて2カ月後に営業を再開。高校を卒業した奈美さんも店を手伝い、数年後には京都や横浜などで料理の修行を始めた。友人との関係を断ち、自分の時間もない。「いつも泣いてばかり」だったが、それでも続けられたのは「店を守る。その一心」と振り返る。
 イラストレーターを志した亜紀さんも店で働きだし、13年ほど前から3人の奮闘が始まった。チームワークで店を切り盛りし、今では「あうんの呼吸というか、いろいろ言わなくても分かる」と互いに信頼を寄せる。
 ウナギ資源が減少する厳しい時代、それでも今年は値上げもせずに家族で店を守り続ける。「最近の災害を考えれば、仕事をして毎日を過ごせるのがどんなに幸せか」と幸子さんは思う。その日々を積み重ねた先に、「いつか100年目を迎えられたらいいですね」。3人はそんな未来を描いている。

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