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名家の屋敷再生に米女性が奮闘 島田・川根、地元住民も協力

(2018/6/5 11:00)
地域住民の協力を得て、シェリー・クラークさん(左)が再建した稲荷神社。復元式典には多くの人が訪れた=2月上旬、島田市川根町笹間上
地域住民の協力を得て、シェリー・クラークさん(左)が再建した稲荷神社。復元式典には多くの人が訪れた=2月上旬、島田市川根町笹間上
シェリーさんが購入した旧岡村邸
シェリーさんが購入した旧岡村邸

 島田市川根町笹間地区在住で、国連食糧農業機関(FAO)契約職員の米国人女性シェリー・クラークさん(53)が、2年前に購入した同地区の屋敷を観光客や地域住民の憩いの場に生まれ変わらせようと奮闘している。「笹間の魅力を感じてもらえる場所に」と構想を描く。
 笹間は島田市街から車で1時間ほどの山あいにある。人口は約400人、過疎化が進む地域の一つだ。シェリーさんは米国メーン州出身の水産研究者。水産研究調査で日本船に乗船して以降、日本文化にひかれ、2003年に来日した。
 県内を巡る中で笹間の自然や地域住民の人柄にほれ込み、05年に古民家生活をスタート。移住後に立ち上げた漁業管理などのコンサルティング会社がきっかけで国連から声が掛かり、現在は笹間とヨーロッパを行き来する生活を送る。
 自宅近くの屋敷購入に踏み切ったのは屋敷の住人が亡くなり、買い手を探していることを知った16年。「誰かが守らなければ、魅力的な屋敷が廃れてしまう」との一心だった。
 屋敷は、かつて名主として地域を治めたとされる岡村家の邸宅。島田市博物館によると、屋敷に1602年の古文書が残っていることから、岡村家の興りは少なくとも江戸幕府誕生以前にさかのぼるとみられる。
 現在の屋敷は1955年ごろ建てられた。母屋や納屋、蔵など計10棟が立つが、多くは修繕が必要な状態だ。これまでに母屋をリフォームしたほか、地元住民の協力を得て敷地内にまつられていた稲荷神社を建て直した。
 シェリーさんは「ここに座って茶を飲んで笹間の魅力を体感してほしい。この地を気に入って、遊びに来たり移り住んだりする人が増えれば」と話し、「今後は離れや納屋を改装し、民泊や銭湯に生まれ変わらせたい」と夢を膨らませる。
 シェリーさんの活動に歓迎の声が上がる。篠上町内会の根岸久会長(58)は「私たちも屋敷の草刈りなどで協力している」と話す。屋敷の管理を担う岡村好郎さん(60)は「シェリーさんがいなければ、朽ち果てていくのをただ見ているだけだった」と語り、物心両面でサポートする。

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