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英国伝統のニット、島田から発信 女性グループが百貨店で販売

(2017/12/22 11:00)
真剣な表情でフェアアイルニットを制作するニッター=12日、島田市向谷
真剣な表情でフェアアイルニットを制作するニッター=12日、島田市向谷

 島田市内の手芸教室で腕を磨いた女性グループが手掛ける英国伝統の高級セーター「フェアアイルニット」がにわかに脚光を浴びている。本場の材料を輸入し、約2カ月かけて編み込む手作り品は本物志向のシニア世代から好評で、静岡伊勢丹には特設コーナーが登場した。新たな生きがいを見つけたメンバーは「島田からオンリーワンを発信したい」と意気盛んだ。
 島田市向谷の伊東嘉子さん(70)と妹友子さん(68)が約30年前に手芸教室をスタート。2人から技を学び、熟練した66~92歳の10人が「ニッター」(編み手)を務める。
 作品の販売に動き出したのは昨年10月。全国発売されたフェアアイル柄の見本帳の制作に協力し、自分たちの作品が掲載されたことが自信につながった。「こんなに素晴らしいみんなの腕を、埋もれさせてしまうのはもったいない」と伊東姉妹が市産業支援センターに相談。経営セミナーに参加したり、販路などのアドバイスを受けたりしながら、有限会社「メロディアスハンズ」として事業展開を始めた。
 ニッターの松岡政枝さん(69)は「これまでは家族が着るだけだったが、今は知らない人が着てくれるのがうれしい」と笑う。
 現在はシニア男性がターゲット。英国でも機械化が進み、手編みのフェアアイルは全国的にも珍しいという。静岡伊勢丹の野村尊志アシスタントセールスマネジャーは「物を見た瞬間に品質の高さが分かった。糸の仕入れからデザインまで、こだわって作られている」と評価し、「すごい反響で、東京の外商からも問い合わせが続いている」と明かす。
 「もうけるつもりはない」と欲のないメンバーに、同支援センターの担当者は「経営は稼ぐことも大切。意識を変えよう」と指導する。「趣味の作品から商品へ。シニアの新しいビジネスモデルになれば」と期待する。

 <メモ>フェアアイルニット スコットランドの北に位置するシェットランド諸島・フェア島の伝統工芸品。厳しい自然の中で育ったシェットランドシープの毛を編み込んで作られる。伝統的に幾何学模様が多い。高級品だが、軽くて暖かいのが特徴。1920年代に英皇太子が着ていたことをきっかけに、一時、世界中で流行したことがあるという。メロディアスハンズの製品は1着5万~6万円台。

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