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デフリンピックに理解を 静岡の女性、手話通訳で懸け橋

(2017/12/12 11:00)
「デフリンピック」で日本選手団手話通訳を務めた黒石恵理子さん=10日、静岡市葵区の県総合社会福祉会館
「デフリンピック」で日本選手団手話通訳を務めた黒石恵理子さん=10日、静岡市葵区の県総合社会福祉会館

 聴覚障害者の国際総合スポーツ大会「デフリンピック」の第23回夏季大会(トルコ・サムスン)で日本選手団本部手話通訳を務めた手話通訳士、黒石恵理子さん(39)=静岡市駿河区役所=が10日、県聴覚障害者協会で活動を報告した。パラリンピックに比べ知名度の低いデフリンピックへの理解と支援が広がるよう決意を新たにした。
 「手話の花を咲かせ、ろう者としての絆と誇りを再確認する姿に感動した」。黒石さんは7月18日から13日間、選手村で寝食を共にした日本代表選手たちが年齢や競技、自身の勝敗に関係なく励まし合ったり、ベテランが若手に手話を教えて学び合ったりしていた様子を一番の思い出として振り返る。
 デフリンピックには関係者の推薦で初めて派遣。本部手話通訳は黒石さん含め3人。政府要人や医療班、広報班、旅行会社などの対応を担当した。当初は「大変な名誉」と喜んでいたが、開催が迫ると重責に押しつぶされそうになったという。
 手話を学び始めたのは開業医の医療事務職だった30歳の時。来院した高齢夫婦に「問診票を書いてください」と話し掛けたが反応がない。外見は健常者と変わらないため聴覚障害に気付けなかった。「同じ日本人なのに言葉が通じない」と衝撃を受けた。
 帰宅して目に飛び込んできたのが静岡市広報誌の手話奉仕員養成講座募集の欄。すぐ申し込み、手話サークル「するがの会」にも参加。毎週2日、仕事帰りに受講するなどして5年後に手話通訳者、その1年後に手話通訳士の資格を得た。手話通訳士は厚生労働省令に基づき国の認定団体の試験に合格しなければならない資格で3463人が登録。市に2015年度、非常勤職員の専任手話通訳者として採用された。
 活動報告は男子バレーボールの千原浩平選手(15)=沼津聴覚特別支援学校高等部1年=とテニスの斉藤一茂監督(41)=袋井市=とともに出席。「デフリンピックに参加した1人として、普及の一助となるよう機会を通じて体験を伝えるのは責務。東京五輪、パラリンピックと同様に選手たちが活躍できる日本を目指したい」と語った。

 <メモ>デフリンピック 「ろう者のオリンピック」として4年に一度開かれる。聴覚障害者自身が運営し、手話、競技開始を光で知らせるなど視覚的に工夫する点が特徴。夏季大会の初回開催地は1924年のフランス、冬季は49年のオーストリア。国際オリンピック委員会(IOC)公認で2001年に世界ろう者競技大会をデフリンピックに名称変更した。第23回夏季大会は陸上、サッカーなど21競技を行った。日本選手団は選手108人、役員69人。メダルは過去最多27個(金6、銀9、銅12)を獲得した。

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