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中根金作の庭園群に脚光 湖西・新居、見学ツアー盛況

(2019/1/18 17:10)
老人福祉センターにある中根金作の枯山水庭園=湖西市新居町
老人福祉センターにある中根金作の枯山水庭園=湖西市新居町

 磐田市出身で世界的造園家の故中根金作(1917~95年)にゆかりのある庭園や公園が数多く残る湖西市新居町で、2018年から市民が見学ツアーを開催している。これまでに企画した5回は市内外から定員以上の申し込みがあり、いずれも盛況。眠っていた地域資源の一つとして脚光を浴びつつある。
 ツアーを企画したのは、同町のガーデンデザイナー吉元洋美さん(49)。京都造形芸術大に通う吉元さんが庭園の研究をしていたところ、中根の庭園が旧新居町に数多く残っていることを記した書籍を偶然目にした。地元に造園の大家の作品があることをもっと知ってもらいたいと、昨年4月に初めてのツアーを計画した。
 中根は足立美術館(島根県)や米・ボストン美術館などの造園で世界的に知られる。文化事業に熱心だった当時の新居町長から依頼を受け、1980年ごろからまちづくりに携わるようになったという。市立新居図書館のそばにある石組みの日本庭園や老人福祉センターの枯山水庭園、新居文化公園など当時手掛けた作品が今も各所に存在する。
 旧新居町職員で、図書館そばの日本庭園を作る際は都市計画課にいた猪井英典さん(65)は「石組み作業の指示をする中根さんの姿を見ていたが、本当に素早く的確だった」と鮮明に記憶している。
 当時は多くの人が価値を十分に認識していなかったことや、年月の経過に伴う関心の低下で、近年では話題に上ることはなかったが、吉元さんのツアーが再び注目を集めるきっかけに。10月には市内外から約70人が参加。応募は150人ほどからあったため、断るほどの人気ぶりだった。
 「地元以外からも多くの人が興味を持って参加してくれる」と反響の大きさを感じている吉元さん。「貴重な財産を将来に残し、中根さんの世界観を多くの人に楽しんでもらいたい」と今後の活動にも意欲を見せる。

 ■旧新居町で40以上事業手掛け 中根金作
 中根金作は県立浜松工業学校(現浜松工業高)、東京高等造園学校(現東京農大)卒。金閣寺(京都市)の庭園修理や足立美術館(島根県)、米・ボストン美術館、カーター元大統領記念館などの作庭で知られる。大阪芸術大学長なども歴任し、江戸時代の作庭家になぞらえて「昭和の小堀遠州」とも称された。
 自身が設立した中根庭園研究所(京都市)として手掛けたものも含めると、旧新居町で40以上の事業に取り組んだとされる。同研究所も「京都を除けば、これだけの作品が集中している地域はそうはない」と価値を認める。

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