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和太鼓、匠の音守り125年 浜松の製作店、次代へつなぐ

(2019/1/7 17:01)
和太鼓の革の張り替え作業を行う職人の中安友重さん(右)と長男の房之助さん=2018年12月中旬、浜松市中区の安藤太鼓店
和太鼓の革の張り替え作業を行う職人の中安友重さん(右)と長男の房之助さん=2018年12月中旬、浜松市中区の安藤太鼓店

 和太鼓の製作・修理の全工程を手仕事で行う、全国でも数少ない太鼓店が浜松市にある。1894年(明治27年)創業の安藤太鼓店(同市中区)。明治、大正、昭和、平成と4つの時代をまたいで技術を継承し、全国の祭事を支えてきた。平成が終わる今年、創業125年を迎える同店。職人の思いと匠(たくみ)の技で、日本伝統の和太鼓の音色を次の時代へとつないでいく。
 「カン、カン」「カン、カン」。2018年12月中旬の同店作業場。県内外から届いた和太鼓の修理作業が進む。革を張り替えているのは職人の中安友重さん(56)。同じく職人として働く長男房之助さん(21)が太鼓の上に乗って柔らかくした革を、木づちなどを使って伸ばしていく。
 「太鼓の音は地域で違うため、革の厚さや張り具合を変える必要がある。頼りは耳と勘で、熟練の技が必要」。3人の職人を束ねる3代目の安藤恒司社長(65)は言い切る。
 同店は安藤社長の祖父鍵次郎氏が創業した。安藤社長が先代の父賢一氏の後を継いだのは1978年。祖父や父と同様に、東京・浅草の老舗太鼓店で修業を積んできた。
 創業から胴作りや革の縫製、革張り、鋲(びょう)打ちなど全工程を1人の職人が一貫して手仕事で行う。「木は生き物で、その木に合ったやり方が必要。何より、機械製よりも音や耐性がいい」(安藤社長)という。
 苦境もあった。第2次世界大戦後は需要が無く、東日本大震災の後は全国で祭事が自粛された。だが、祭り関連用品の販売や太鼓作り体験会を始めたり、職人で長男の龍さん(32)が中心となってホームページを充実させたりして、今は全国から注文が相次ぐ。
 太鼓の製作は10年近くを要し、耐用年数は50~100年と長い。「今は先代や先々代が作った太鼓を修理している。依頼者の希望に添う音を出せるよう心掛けてきた」と安藤社長。長い歴史をかみしめ、「創業150年、200年と続け、和太鼓の音を全国に響かせたい」と語る。
 

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