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復興の折り鶴を再生紙に 仙台七夕まつり展示品、富士で加工

(2018/11/9 17:00)
折り鶴をパルパーに投入する阿部千優さん(左)と中川綾芽さん(左から2人目)=8日午後、富士市の富士共和製紙
折り鶴をパルパーに投入する阿部千優さん(左)と中川綾芽さん(左から2人目)=8日午後、富士市の富士共和製紙
折り鶴の再生紙が使われた表彰状を手にする羽生結弦選手(右)=4月、仙台市内(鳴海屋紙商事提供)
折り鶴の再生紙が使われた表彰状を手にする羽生結弦選手(右)=4月、仙台市内(鳴海屋紙商事提供)

 仙台市内の小中学生8万8千人が復興を願って1羽ずつ折り、夏の風物詩「仙台七夕まつり」で展示した鶴の飾りを再生紙としてよみがえらせ、震災の伝承につなげる取り組みが進んでいる。老舗紙問屋の鳴海屋紙商事(仙台市)が提唱し、「紙のまち」富士市の製紙会社が協力。2年目を迎えたことしは鶴を折った中学生2人が初めて現場作業に関わり、郷土への思いを再生紙に吹き込んだ。
 「どんな色の紙になるのかなぁ」。仙台市立宮城野中2年の中川綾芽さん(14)と阿部千優さん(14)は8日、自ら手掛ける再生紙の姿を想像しながら、取り組みに賛同し再生紙製造に当たる富士山の麓、富士共和製紙を訪れた。
 担当者の案内で工場に入った。仙台から運ばれてきた青、緑、赤、黄色の折り鶴を手に取り、古紙と水を混合してほぐす機械「パルパー」にゆっくりと投入した。
 仙台七夕まつりに復興祈願の折り鶴が飾られるようになったのは、東日本大震災が起きた2011年から。展示後は心願成就を祈って燃やしていた。
 飾りづくりを指導していた鳴海屋紙商事は「何とかして形に残せないか」と思案し、折り鶴を再生紙に変え、卒業証書として子どもたちの手元に戻そうと考えた。取引先の紹介を受け、広島平和記念公園(広島市)の折り鶴再生紙化で実績があった富士共和製紙に依頼した。
 同社営業課・業務課の小林昭久課長(49)は「少しでも役に立てればと引き受けた」と振り返り、「お手伝いした紙が子どもたちの願いを世の中に伝えてくれれば」と語る。
 17年版の再生紙はことし、フィギュアスケートの羽生結弦選手に対する仙台市特別表彰の表彰状に使われた。羽生選手の母校・市立七北田中は18年度卒業証書への活用を決めた。関係者の思いは広まりつつある。
 多彩な色が細かくちりばめられた完成品を手にした中川さんと阿部さんは「すごくきれい。自分たちの卒業証書にも使ってほしい」と声を弾ませた。「震災の記憶は絶対に風化させてはいけない」。引率した鳴海屋紙商事の鳴海幸一郎さん(50)は温かい目で2人を見詰めた。

仙台七夕まつりで展示された折り鶴の飾り=8月、仙台市内(鳴海屋紙商事提供)
仙台七夕まつりで展示された折り鶴の飾り=8月、仙台市内(鳴海屋紙商事提供)

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