静岡新聞NEWS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

戦災「幻の校舎」に光、静岡・森下小 名建築家ヴォーリズ設計

(2018/9/14 17:01)
学校記念誌や児童の研究成果をまとめたパネルなどが並ぶ資料室。ヴォーリズ関連の情報をまとめた=8月下旬、静岡市立森下小
学校記念誌や児童の研究成果をまとめたパネルなどが並ぶ資料室。ヴォーリズ関連の情報をまとめた=8月下旬、静岡市立森下小
ヴォーリズが設計したとされる森下小旧校舎の外観図。校内で保管されていた
ヴォーリズが設計したとされる森下小旧校舎の外観図。校内で保管されていた

 2018年1月に新校舎に生まれ変わった静岡市駿河区の市立森下小。1940年代の数年間、国内各地に西洋建築を残したウィリアム・メレル・ヴォーリズが手掛けた校舎があった。同校関係者は今回の建て替えを機に、戦火で焼失した「幻の校舎」の歴史に光を当てる取り組みを活発化させている。
 「東海に誇る校舎が約3年間しか建っていなくて残念」。同校の歴代校長7人による座談会の発言内容を収録した59年の同校30周年記念誌に、ヴォーリズが手掛けた校舎に関する記述がある。初代の校舎が40年の静岡大火で焼失し、建て替えの際にヴォーリズと親交のあった学校関係者が設計を依頼。当時の職員が意見を出し合って43年に完成したが、45年の空襲で焼け落ちてしまったという。
 現校長の仁藤治さんは2017年4月の就任直後、名建築家と縁のある学校の歴史を知った。興味を持って調べたところ、建て替え前の校舎の一室でヴォーリズ設計とみられるかつての校舎の外観図を発見。18年からの新校舎にはヴォーリズ関連の資料をまとめたコーナーを設けた。「建物は新しくなっても、先人の思いを受け継ぐきっかけになれば」と期待を寄せる。
 同校の児童は10月の社会科見学でヴォーリズの代表建築である国の登録有形文化財「旧マッケンジー邸」(駿河区高松)を、11月の都内への修学旅行では明治学院チャペル(港区)を見学する予定。自由研究などでヴォーリズについて調べる児童もいるという。
 ヴォーリズ記念館(滋賀県近江八幡市)の藪秀実館長は「わずかな期間しか存在しなかった校舎だが、子どもたちには当時の暮らしや歴史に思いをはせてほしい」と話した。

 <メモ>ウィリアム・メレル・ヴォーリズ 1880年、米国生まれ。1905年に英語教師として来日後、キリスト教の伝道師や建築家として活躍。日本各地で教会や学校、病院、住宅などの建設に携わった。県内では、国の登録有形文化財の旧マッケンジー邸(静岡市駿河区)や旧静岡英和女学院院長住宅主屋(同市葵区)が現存する。医薬品製造販売「近江兄弟社」の創業者で、日本で「メンソレータム」の販売を手掛けたことでも知られる。64年、83歳で死去。

静岡暮らし・話題の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト