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ミカンの古木を炭に、燃焼時間長く好評 浜松の橋本さん

(2018/7/12 17:00)
窯の中で炭の仕上がりを確かめる橋本健さん=浜松市北区三ケ日町
窯の中で炭の仕上がりを確かめる橋本健さん=浜松市北区三ケ日町

 ミカンの品質を維持するために20~30年に一度、木を植え替える「改植」で出たミカンの古木を再利用した炭「柑炭(かんたん)」が注目されている。浜松市北区三ケ日町の橋本健さん(63)が産業廃棄物として捨てられる木に目を付け、4年前に商品化した。「燃焼時間が長く、はぜや煙が少ない」と料理人などの間で評判を呼び、橋本さんは「三ケ日発の循環型農業として広めたい」と意欲をみせる。
 橋本さんが愛知県で炭焼きをしていた知人からミカンの木が「ウバメガシで作る備長炭に劣らない」と聞いたのは5年前。自宅敷地内に炭焼き窯を自作し「舎房窯(しゃぼうよう)」と名付けた。2基で約9トンの木材が一度に焼け、毎年約60トンの炭を焼く。
 1~2月、収穫を終えた農家から改植で捨てる木を譲り受け、炭に適した長さに切る。10日間ほどじっくり焼き一週間かけて冷ましたら、品質ごとに6種類に分ける。完成した炭は直売とインターネットで販売し、アウトドア料理のほか湿気取り、浄水などにも使われる。
 窯から出る蒸気からは畜産農家が飼料に混ぜたり豚舎や牛舎の消臭に使ったりする木酢液が取れ、窯内の灰は土壌が酸化するミカン畑にまくと、中和剤になるという。
 改植で捨てられる木は三ケ日だけで年間約6千トンに上るとみられ、橋本さんは「炭にしているのは、まだ全体の1%程度。短期集中の引き取り依頼に応えきれない現状を改善するのが課題」と話した。

 <メモ>ミカンの木は老木になると収量が安定しない。そのため30年前後で改植する生産者が多いという。県農芸振興課によると県内全体では年間約150ヘクタールの耕作地で改植が行われているという。三ケ日町柑橘出荷組合組合長の竹平智範さん(61)の話では、三ケ日町では耕作地約1500ヘクタールのうち毎年約20~30ヘクタールが改植される。古い木は産業廃棄物扱いになり処理費用がかかるため「現状は農家自ら細かく切り、燃やすことが多い」と説明する。

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