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氷河期の木、裾野で出土 「3万年前」語る一級資料

(2018/7/5 17:04)
分析作業に使うサンプルを採取する箱崎真隆特任助教=6月下旬、裾野市茶畑
分析作業に使うサンプルを採取する箱崎真隆特任助教=6月下旬、裾野市茶畑

 裾野市内の工事現場で2月に出土した木が、専門機関で分析した結果、最終氷期にあたる約3万年前に生育した樹木と判明した。総合地球環境学研究所(京都府)の研究プロジェクトの一環として、周辺環境の変化から樹木が埋もれた原因を特定する調査が6月から始まった。樹木から「氷河期」とも言われる最終氷期の気温や降水量の変化を知ることが可能で、分析に携わった専門家は「数千年前の気候変動が解明できるかもしれない」と期待を寄せる。
 樹木は裾野市茶畑で行われている造成工事の際に、地表4~7メートルの深さから見つかった。7本の木が掘り起こされ、最も大きい木は全長10メートル、直径1・2メートル。市からの連絡を受けて、3月に国立歴史民俗博物館の箱崎真隆特任助教らが現場を訪れ、木材の試料を採取して分析したところ、3万年前の樹木と判明した。
 今回発見された樹木は、国内でこれまで発見された同時代の樹木と比べて、炭化せずに残っているという。箱崎特任助教は「詳細な調査が可能で自然史資料としては一級品」と評する。
 6月20日に箱崎特任助教は再び現場を訪れ、樹木の埋もれた理由を探るための木材のサンプルを採取した。同研究所で樹木の年輪を詳細に調べる。
 一連の分析で、樹木が生育した最終氷期の降水量や気温の変動を解明できるという。
 箱崎特任助教は「過去のデータが得られることで、今後地球の気候がどうなるかを予測ができるかもしれない」と期待を寄せている。

 <メモ>最終氷期 数万年前から約1万年前にあたる寒冷期。「氷河期」とも言われる。発見された樹木が生育した3万年前は、平均気温が現代に比べて10度ほど低かったと推定されている。3万年前の静岡県内の年間平均気温は単純計算で富士山3合目付近に相当する約7度と言われている。

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