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地下海水で越夏挑戦 東海大海洋学部、ギンザケとニジマス養殖

(2018/5/17 17:00)
ギンザケ養殖の水槽で水温や塩分濃度などを計測する東海大海洋学部の秋山信彦教授(左)と学生=4月上旬、静岡市清水区
ギンザケ養殖の水槽で水温や塩分濃度などを計測する東海大海洋学部の秋山信彦教授(左)と学生=4月上旬、静岡市清水区

 地下海水を利用した陸上養殖の研究を進める東海大海洋学部の秋山信彦教授の研究室が、静岡市清水区三保の研究用水槽で、ギンザケとニジマスの養殖に取り組んでいる。通常の海面養殖では水温が上昇する夏を避ける必要があるが、水温が安定した地下海水を用いた陸上養殖により通年の飼育に挑む。
 2017年11月、海水適応能力がついたギンザケとニジマスの稚魚を水槽にいれ、研究に着手した。ギンザケは直径5メートル、水深約0・7メートルの水槽三つで計約500匹、ニジマスは直径4メートル、水深0・7メートルの水槽二つで計約400匹を育てている。
 陸上での越夏養殖が実現すれば、約2キロで出荷される海面養殖よりも大きく育てられるようになり、年間を通じた安定出荷にもつながる。秋山教授は「大きいほど脂がのり、身質が良くなる。越夏に成功したら、5キロほどの大型魚まで成長させたい」と語る。
 課題は病気を発症させない環境づくり。研究施設でくみ上げている地下海水は、年間を通じ18度前後。夏の海面水温より低いが、14度以下を好むサケ・マスにとっては病気にかかりやすい。くみ上げた地下海水は無菌だが、排せつ物などから細菌が自然発生する。このため、排水機構を工夫して水槽に排せつ物がたまらない仕組みを構築したり、ワクチンを投与したりして今夏に備えている。
 「外気の影響で水温が上がる7~9月を乗り切れれば、実生産に向けたモデルが見えてくる」と秋山教授。飼育条件や餌を変えることで、異なる身質の活魚を供給できるシステムも構築し、生産した魚のブランド化を視野に入れている。

 ■三保半島で取水、活用
 静岡市清水区の三保半島で取水される地下海水は1960年ごろ、水産業界で利用が始まった。東海大海洋学部ではこれまでにヒラメやアワビ、カワハギなどの養殖研究で地下海水を活用してきた。
 ギンザケの研究用水槽では地下23メートルからくみ上げ、各水槽に毎分80リットルを掛け流している。水温や衛生状態を制御しながら養殖研究を進めている。
 同学部によると、地下海水で育てればアニサキスなどの寄生虫リスクが低減され、殺虫処理用の冷凍を施さずに生食できる可能性が高いという。

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