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九五式軽戦車、日本に戻そう 御殿場のNPOがプロジェクト

(2018/5/10 17:00)
日本に帰還させる計画の九五式軽戦車=3月、ポーランド(NPO法人防衛技術博物館を創る会提供)
日本に帰還させる計画の九五式軽戦車=3月、ポーランド(NPO法人防衛技術博物館を創る会提供)

 御殿場市のNPO法人防衛技術博物館を創る会が、欧州に渡った旧日本陸軍の「九五式軽戦車」の帰還プロジェクトに取り組んでいる。国産戦車として最多の約2300両以上生産され、太平洋戦争で各地の戦線で使われたが、国内には1台も残っていない。小林雅彦代表理事(47)は「当時の日本の工業レベルが分かり、戦争を学ぶきっかけにもなる。工業遺産として国内で継承したい」と語る。
 帰還させる計画の1両は、ミクロネシア連邦から1981年に国内に戻り、京都府の博物館を経て和歌山県の博物館で展示されていた。同館閉館に伴い売りに出され、英国人が買って2005年に欧州へ渡った。小林代表理事はわずかな差で購入できなかったという。
 17年11月、都内の骨董(こっとう)店を通じて購入の打診があった。旧日本軍の戦車は生産数が少ない上に戦後多くが廃棄され、コレクターの市場に出回ることも少ない。小林代表理事は「この機会を逃すと日本に戻ってこない」と考えた。
 同法人は日本の技術力や機械産業の歴史を語り継ぐため、御殿場市内で防衛技術博物館の開館を目指している。九五式軽戦車の所有権を得た際には、ひとまず英国の戦車博物館に寄贈し、当面展示してもらう。防衛技術博物館開設を実現させた後、同館に移して展示の目玉の一つとする計画を抱く。
 所有者の英国人は自走可能にするため、世界中から部品を集め、劣化した戦車の復元をポーランドで進めている。小林代表理事は「できるだけ日本製にしたい」と、代用品が見つかっていない国産の燃料噴射ポンプを探している。
 帰還プロジェクト実現への課題は購入資金の準備。復元作業が終わる9月ごろまでの調達を目指し、1口10万円の寄付を募っている。問い合わせは同法人<電0550(82)2854>へ。

 <メモ>九五式軽戦車 国産実用戦車第2号として1935年に誕生した。重量が約7トンと比較的軽く機動力に優れ、主に偵察や連絡用として中国大陸や南太平洋などで使われた。太平洋戦争後、戦地に放置されたり、各国の軍事博物館に展示されたりして、数十台が現存するとみられる。

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