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ユリカモメ「PRしたいのに」 浜松、鳥インフル対策で“自粛”

(2018/1/17 17:19)
飛び交うユリカモメの群れ=2017年12月下旬、浜松市北区三ケ日町の天竜浜名湖鉄道浜名湖佐久米駅
飛び交うユリカモメの群れ=2017年12月下旬、浜松市北区三ケ日町の天竜浜名湖鉄道浜名湖佐久米駅

 越冬するユリカモメの飛来地として知られる浜松市北区三ケ日町の天竜浜名湖鉄道浜名湖佐久米駅に今季も大群が押し寄せている。カモメへの餌付けが観光客に人気だが、2016年末に全国で鳥インフルエンザの感染が相次ぎ、県が昨季から自粛を要請。餌を求めるカモメが車両の周辺を飛び交う光景は見応え十分だが、観光関係者は「売り出したくても売り出せない」と頭を悩ませる。 天浜線は県の方針を受けてカモメを表紙に使ったパンフレットを回収した。ただ、観光客の関心は高く、12月ごろから飛来状況の問い合わせが同社に相次ぐ。沢井孝光営業部長は「飛来状況は伝えている。本当は観光として案内したいが難しい」と明かす。
 同区細江町の奥浜名湖観光協会は会員制交流サイト(SNS)で例年通り情報発信。荘司哲事務局長は「『ふれあい』『餌やり』といった表現は避けた。飛来しているのは事実なので、見て楽しむ分には問題ないのでは」と説明する。
 自粛も徹底はされていない。約20年前から餌やりを続ける笹田順嗣さん(68)は「県の考えは分かるが、飛来しているのにあげないわけにはいかない」と強調する。始めた当初は数十羽だったが、年々カモメが増え、いつしか地域の名物になった。県の要請を受けた昨季は給餌を中止。今季は量を例年の5分の1ほどに減らしている。
 写真愛好家は例年通り駅に集まり、撮影のチャンスを狙う。一部には持参した餌を与える人も。浜名湖沿岸にはカモメとのふれあいを売りにする別の地域もあり、「佐久米駅だけ自粛を求められるのは不公平だ」と不満がくすぶる。県自然保護課の担当者は「個人の餌やりの規制まではできないが、鳥が習性として覚えてしまわないよう大規模な給餌は控えてほしい」と理解を求める。

 <メモ>給餌により野鳥の大群が一度に集まると、野鳥間で鳥インフルエンザの感染リスクが高まるほか、感染した野鳥のふんを踏んだ観光客がウイルスの運び役になる可能性がある。2016年度の鳥インフルエンザが給餌により水鳥が密集した場所で続発したのを受け、環境省は17年10月に改定した対応マニュアルに、鳥獣への安易な餌付けの防止を盛り込んだ。国や都道府県は餌付け防止の普及啓発に積極的に取り組むよう求められている。

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