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ゾウ不在の危機 静岡・日本平動物園、飼育の2頭高齢化

(2017/11/14 08:19)
高齢を迎えているアジアゾウの「ダンボ」(左)と「シャンティ」=11月上旬、静岡市駿河区の日本平動物園
高齢を迎えているアジアゾウの「ダンボ」(左)と「シャンティ」=11月上旬、静岡市駿河区の日本平動物園
国内で飼育されている高齢アジアゾウ
国内で飼育されている高齢アジアゾウ

 静岡市立日本平動物園(柿島安博園長)で飼育するアジアゾウ2頭が、全国的に見ても高齢となっている。将来的にゾウがいない動物園になる可能性があり、若い個体の導入が課題に浮上している。だが、ゾウは絶滅の危機にあって輸入が難しい上、繁殖に必要な獣舎整備は十数億円以上かかる。園では、来園者にアンケートを実施して市民意識を把握し、今後の対応を検討していく。
 高齢となっているのは、いずれも雌の「ダンボ」(推定51歳)と「シャンティ」(48歳)で、ダンボは1969年の開園当初からいる人気者だ。国内では現在、32カ所の動物園で78頭のアジアゾウが飼育されている。
 ゾウの50歳は人間の80歳近くに相当し、60歳まで生きるケースはまれ。ゾウはワシントン条約により商取引が禁止され、お金で買うことはできない。国や自治体同士の友好関係醸成を経て、東南アジアなどの国々から外国に出される。専門家の1人は「交渉から10年以上かかるのも普通」という。
 日本平動物園では2頭が高齢のため、「近い将来、園に来てもゾウが見られなくなってしまう」との危機感が強い。若い個体の導入にも時間がかかることが見込まれる。そこで来園者に個体の導入の是非などの意識アンケートを行うなどし、具体的な対策を進めたい考えを抱いている。
 ゾウの飼育は近年、5頭前後の群れの中で繁殖を目指すのが通例になっている。仮に群れ飼育をする場合、広大な獣舎整備費と1頭当たり年間約300万円の餌代が必要。大半は市民の税金から支出することになり、市民理解が求められる。
 柿島園長は「ゾウは人気の大型哺乳類で園の『シンボル』だ。飼育を切れ間なく行い、種の保存や情操教育の場としての役割を積極的に果たしていきたい」と話した。

 ■ゾウ展示 全国の動物園が努力
 ゾウの展示については、全国の動物園がさまざまな取り組みを進めている。
 2007年にゾウがいなくなった円山動物園では、札幌市民の要望を受け市はミャンマー政府と交渉し、18年度にアジアゾウ4頭がやって来る。20億円をかけてもとの獣舎の20倍近い5千平方メートルの飼育設備を整備する。
 担当者は「子供議会やアンケートなど9千人から意見を聞いた。『動物園にゾウは欠かせない』との声が多かった」と振り返る。
 50歳近いアジアゾウ2頭がいる豊橋総合動植物公園(愛知県豊橋市)の場合、市は14年度に約1700万円を投じ、新しい獣舎を実施設計済み。ただ、「ゾウの来園については調整中のため着工についてはペンディング状態」(滝川直史園長)という。
 一方、京都市動物園の場合、15年の日本・ラオス外交関係樹立60周年に合わせ、外務省の協力で、数年でアジアゾウ4頭が来た。担当者は「サクラの植樹や市バス30台以上を寄付した」と話した。

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