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クマムシ固有の新規タンパク質 ヒト培養細胞の放射線耐性を向上

(2016/9/21 08:35)
放射線などに高い耐性を持つヨコヅナクマムシ(東京大提供)
放射線などに高い耐性を持つヨコヅナクマムシ(東京大提供)
研究成果を説明する国枝助教(右)ら=15日午後、東京大
研究成果を説明する国枝助教(右)ら=15日午後、東京大

 東京大大学院理学系研究科の国枝武和助教(45)と国立遺伝学研究所(三島市)の豊田敦特任教授(52)らが20日、共同でクマムシのゲノム(全遺伝情報)を解読して分析した結果、固有の新規タンパク質「Dsup(ディーサップ)」が、培養したヒトの細胞の放射線耐性を向上させることを発見したと発表した。今後、さらなるクマムシの遺伝子の解明により、哺乳動物の放射線耐性向上につながると期待されるという。
 国枝助教によると、クマムシは乾燥や強い放射線などの極限環境にも耐えられることが知られているが、分子メカニズムはこれまでほとんど分かっていなかった。今回の研究で、約1200種にのぼるクマムシの中で、より高い耐性を持つヨコヅナクマムシの高精度なゲノム解読に成功。クマムシが放射線からDNAを保護するメカニズムの一端を解明した。
 DsupはDNAと結合し、エックス線や活性酸素種によってDNAが切断されてしまうのを抑制することを突き止めた。Dsupをヒト培養細胞に導入すると、放射線によるDNAへの傷害が抑えられ、細胞は増殖する結果になった。国枝助教は「クマムシのゲノムは有用な遺伝子資源。もっと多くの耐性遺伝子を明らかにしていきたい」と述べた。
 発表内容は同日付のオンライン科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載された。

 <メモ>クマムシ 体長0・1~1ミリで4対8本の脚を持つ緩歩(かんぽ)動物。約1200種が確認されており、海や淡水、陸上に生息する。陸生種の多くは外界の乾燥に応じて脱水し、乾眠という無代謝状態になる。乾眠状態では生命活動がなく、放射線や真空など極限的な環境下で非常に強い耐久性を持つことが知られている。

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