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浜岡原発「立地で恩恵」半数 市民アンケート(下)

(2017/5/13 07:38)
浜岡原発立地に伴う国の交付金で更新したMRI=11日午後、市立御前崎総合病院
浜岡原発立地に伴う国の交付金で更新したMRI=11日午後、市立御前崎総合病院
この半世紀に浜岡原発の立地が地元にもたらした影響
この半世紀に浜岡原発の立地が地元にもたらした影響

 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の立地が地元に利益をもたらしたと考える人は半数に上ったが、再稼働に賛成する人は3割にとどまった―。静岡新聞社が同市の在住・在勤者を対象に行った浜岡原発に関するアンケートでは、そんな傾向が現れた。市民は原発立地に恩恵を感じながらも、東京電力福島第1原発事故から6年がたった今も不安を抱える実態が浮かんだ。
 市立御前崎総合病院は2016年2月、磁気共鳴画像診断装置(MRI)を約2億円かけて更新した。高額機器の購入は起債(借金)で対応するのが通常だが、同病院は単年度予算で購入した。半分の1億円が原発立地に伴う国からの交付金でまかなえたからだ。
 同市はかつて農業以外、主な産業がなかった。“寒村時代”を知る柳沢重夫市長は「先人が苦渋の決断で原発を受け入れ、交付金で地域が発展した」と強調する。
 市によると、発電所立地地域の振興を目的にした国の「電源3法交付金」制度が始まったのは1974年。浜岡原発では1号機の試験運転を行った時期に当たる。16年度までの42年間の交付総額は535億円に上る。同病院、市民プール、図書館、小学校。さまざまな公共施設の建設に充当された。商工業や観光振興、福祉サービスの充実などハード、ソフトを問わずあらゆる事業に使われている。
 だが、さまざまな施設は老朽化が進み、維持管理費が市財政に重くのしかかる。市は17年度当初予算で、財源不足を補うため財政調整基金(貯金)を22億円取り崩した。
 「浜岡原発の恩恵は大きい。でも福島の人々は原発事故で故郷を追われた。原発の受け入れは、そんなに簡単な話ではなかったのかもしれない」。市内のスーパーで買い物をしていた40代の女性は4月下旬、アンケートに悩ましげに語った。住民の再稼働への賛否が割れる中、市政のかじ取りを担う柳沢市長は「これからは原発だけに頼らないまちづくりが必要だ」と強い決意を示す。

 <メモ>浜岡原発の歩みは中部電力が1967年5月、旧浜岡町長に打診したところから始まる。町は同年9月、補償や条件が満たされることを前提に受け入れを表明した。今年は50年の節目。地元の誘致ではなく、電力会社の申し出でできた全国唯一の原発という特徴もある。1、2号機は廃止措置中で3、4号機は再稼働に向けて国の適合性審査が進む。海水流入問題があった5号機も申請する方針。6号機の建設計画は、東京電力福島第1原発事故後の現在も撤回されていない。

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