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浜岡原発事故時「避難先知らない」7割超 市民アンケート(上)

(2017/5/12 08:10)
浜岡原発の広域避難計画を検証する実動訓練で避難退域時検査を受ける住民ら=2月10日、浜松市北区の新東名高速道路下り浜松サービスエリア
浜岡原発の広域避難計画を検証する実動訓練で避難退域時検査を受ける住民ら=2月10日、浜松市北区の新東名高速道路下り浜松サービスエリア
広域避難計画や避難先を知っていますか
広域避難計画や避難先を知っていますか

 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)について同市在住・在勤者を対象に静岡新聞社が11日までに実施したアンケートで、重大事故に備えた広域避難計画で定めた避難先を知らない回答者が7割を超え、原子力災害対策の住民周知への課題が浮き彫りになった。行政が実効性の高い計画をつくっても、肝心の住民が知らなければ無意味で、県原子力安全対策課は「関係市町と相談し、今からできる対応を検討したい」と危機感を高める。
 避難計画は原発から31キロ圏11市町の約94万人が対象で、5キロ圏内に位置する御前崎市の住民は周辺より先に、原子力災害単独の場合は浜松市へ、南海トラフ巨大地震などとの複合災害時は長野県まで避難する。「即時避難が必要な立地市住民がすぐに初期行動を取れないと、周りに影響が波及し、大混乱に陥る」。県危機管理監を務めた岩田孝仁静岡大防災総合センター教授は調査結果に懸念を強める。
 県が県外避難先の市区町村約350カ所を公表したことを受け、県計画と別に必要な市町版計画を策定したのは今のところ御前崎市のみ。ただし、同市も全市民対象の説明会をまだ実施していない。避難先自治体だけ決まっても、見知らぬ土地で目印になる「避難経由所」や避難ルートなどは未定で、山崎雅樹同市危機管理課長は「現状では住民に具体的な話ができず、逆に不安をあおるのでは」とためらいを見せる。
 原発停止中でも使用済み核燃料が施設内にある限り重大事故が起きる可能性はある。周辺市町では御前崎市以上に避難計画への認知度が低いことも予想され、県担当者は「県計画の内容が住民に浸透しない状況が長引くのは好ましくない」と問題を認識する。
 岩田教授は「計画の実効性を確保するには、難問が山積している」とした上で、「策定過程から住民と情報共有して一緒に解決策を考える行政姿勢が、生活不安を解消し、計画の認知度を向上する近道になるのでは」と提言する。

 <メモ>浜岡地域原子力災害広域避難計画では、自家用車での避難が原則。5キロ圏は全面緊急事態で一斉避難を開始し、5~31キロ圏は屋内退避後、空間放射線量率が基準に達した地区ごと多段階避難を行う。複合災害時は関東、甲信、北陸地方の都県まで向かう。今回調査で避難時の不安を複数回答可で聞くと、「避難生活の長期化」が55.3%で最も多く、「避難途中の渋滞発生」54.5%が続き、「その他」で地震による道路寸断を心配する声も目立った。

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