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弁護側手法、一部再現成功 有効性排除せず 「袴田事件」鑑定

(2017/6/8 08:53)
鈴木広一大阪医科大教授が東京高裁に提出した最終報告書の結論部分
鈴木広一大阪医科大教授が東京高裁に提出した最終報告書の結論部分
鈴木大阪医大教授の最終報告書のポイント/弁護団の主張
鈴木大阪医大教授の最終報告書のポイント/弁護団の主張

 袴田巌さん(81)の即時抗告審で、鈴木広一大阪医科大教授が東京高裁に提出した弁護側DNA型鑑定に関する検証実験の最終報告書で、弁護側鑑定に用いられた「選択的抽出法」と呼ばれる手法について、一部で再現に成功していたことが7日、分かった。「手の込んだ方法ではなく、確立された方法を用いるべき」などと手法そのものには否定的な一方、完全には有効性を排除していない。
 静岡新聞社が7日入手した最終報告書で明らかになった。報告書によると鈴木教授は、布に付着した新しい血痕と二十数年前の血痕の2種類を調べた。選択的抽出法通り、血液成分を取り出すため、試薬「抗Hレクチン」入りの生理食塩水(生食)に漬けた後、市販のキットを使って実際にDNA型鑑定をした。
 鈴木教授は「DNA溶出はほとんどないか少ない」と結論する一方で、選択的抽出法を用いて抽出されたDNAについて、新旧の血痕で正しい型が検出された例についても報告。その上で、抗Hレクチンに含まれる酵素がDNAを溶かすとして「誤った試薬の適用」と指摘。「長年たった衣類付着の血痕を生食に浸すだけで溶出することは難しい」とも付言した。
 こうした報告書の内容を受け、弁護団は「弁護側DNA型鑑定と矛盾しない内容」と主張。高裁が実施を予定している鈴木教授と、弁護側鑑定人の本田克也筑波大教授の尋問について「不要」と訴えていく方針という。
 静岡地裁決定の再審開始の決め手の一つになった弁護側DNA型鑑定では、約半世紀前にみそタンクの中から見つかったシャツに付いた血痕について鑑定が行われた。試料が特殊な環境にあったことから、本田教授は独自の選択的抽出法を発案したとされる。
 最終報告書はA4判で、30ページ程度の鑑定書と、100ページ程度の写真・データ集から成っている。

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